ファイナンス 2018年12月号 Vol.54 No.9
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75歳以上になると 医療費や介護費は大幅に高くなる吉田室長の講演では、2014年と2025年の人口割合と年齢別の一人あたりの医療費と介護費を解説。75歳以上になると1人あたりの医療費もさることながら、国庫負担も大幅に増大することが再認識された。これを受けて、ワールドカフェではグループごとに「気になったこと、良いと思ったこと」を意見交換し、テーブルに広げられた模造紙に書き出していく。一部を抜粋すると…「医療保険制度を見直す」「消費税増税は避けられないので、事業者として働き方を変えていき、収入を高める」「湿布など、医療機関で無駄にもらいすぎないようにする」…といった声が聞かれた。社会の第一線で活躍する参加者にとって、社会保障費の問題は身近でありながら、具体策が見えてこない難問。あらためて考えて、意見を交わすことで改善への意識が向けられた。ワールドカフェ(1)気になったこと、良いと思ったことは?グループごとに意見交換書き出された「気になったこと、良いと思ったこと」全人口に占める人口数及び割合医療(2014年)介護(2014年)2014年2025年1人当たり国民医療費(64歳以下:18.0万円)1人当たり国庫負担(64歳以下:2.5万円)1人当たり介護費(括弧内は要支援・ 要介護認定率)1人当たり国庫負担65~74歳1,708万人(13.4%)1,479万人(12.3%)55.4万円7.8万円5.5万円(4.4%)1.5万円75歳以上1,592万人(12.5%)2,179万人(18.1%)90.7万円35.6万円53.2万円(32.6%)14.5万円出典: 年齢階級別の人口は総務省統計局「人口推計(25年10月)」、医療費は厚生労働省「平成25年度国民医療費の概況」。 介護給付費及び要支援・要介護認定率は、厚生労働省「介護給付費実態調査(平成25年)」、総務省統計局「人口推計(25年10月)」。注: 1人当たり国民医療費は、年齢階級別の国民医療費を人口で除して機械的に算出。 1人当たり国庫負担は、それぞれの年齢階層の国庫負担額(75歳以上は5.4兆円、74歳以下は3.8兆円)を2013年時点の人口で除すなどにより機械的に算出。▲約230万人約1.6倍約4.6倍約9.7倍+約590万人一人あたりの医療費と介護費75歳以上になると1人当たり医療費や介護費は大幅に高くなり、それに伴って1人当たり国庫の負担も増大します。 ファイナンス 2018 Dec.5特集 「Youth THINK×財務省2018」を開催~若者と考える、日本の社会保障と財政~

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