ファイナンス 2018年12月号 Vol.54 No.9
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八重山諸島4新県立八重山病院整備事業について新八重山病院の整備は、「高度な医療を提供する部門連係に配慮」、「災害拠点病院としての機能性確保と事業継続計画配慮」、「将来の変化に対応可能な柔軟な計画と維持管理配慮」、「患者やスタッフの満足度配慮」、「風土と環境に共生する八重山病院ならではの特徴配慮」といった基本方針に基づき計画されました。施設の配置については、1階に外来(一般、時間外)、救急の他こころ科を配置、2階には周産期関連施設や手術関連施設を配置、3・4階には病棟が配置されている等、「八重山圏域における急性期医療を担う中核病院」として、高度な医療機能を充実させております。施設規模としては、病床数302床、24診療科、敷地面積約40,000m2(移転前の敷地の1.6倍)、建物延べ床面積約23,000m2(移転前の延床面積の1.4倍)となり、特に診療科目については、移転前の23診療科に加え新たに口腔外科が新設されるなど、移転前の施設に比べ大きく拡充されました。事業スケジュールについては、平成27年の実施設計を経て、平成28年初頭に工事着工、平成29年度の竣工を計画。また、事業費についても本体工事費約128億円となりました。しかしながら、資材高騰や工事に係る人材不足、更には現場の強固な岩盤等の影響も相まって、工事はなかなかスケジュール通りにはいかなかったようですが、工期短縮に向けた工法の採用等も寄与して、平成30年6月に竣工、今般、10月1日の開院を迎えたところです写真2 沖縄県立新八重山病院(全景)写真3 1Fエントランスホール(写真提供:沖縄県病院事業局)5おわりに以上のように、八重山地域の新たな医療拠点、「新沖縄県立八重山病院」がスタートしました。本件事業に国有地が活用されたことを通じ、当病院による高度な医療の提供を始めとして、地域の皆様の安心の確保に貢献できたのではないかと考えているところです。なお、当該旧石垣空港跡地の国有地は、今後、石垣市の新庁舎用地として活用されるほか、土地区画整理事業による新しいまちづくりも予定されているところであり、当局としても、引き続き地元・地域の要望を踏まえつつ、国有地の有効活用を通じ地域貢献を果たして参りたいと思います。78 ファイナンス 2018 Dec.連 載 ■ 各地の話題

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