ファイナンス 2018年12月号 Vol.54 No.9
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各地の話題た人(28.5%)がもっとも多く、次に多かったのは「70歳くらいまで」と回答した人(20.1%)でした。また、これから力を入れたいことは「健康・スポーツ」(34.8%)と回答した人がもっとも多く、「趣味・教養」(27.0%)、「収入を伴う仕事」(23.8%)となりましたが、「特にない」とした回答(27.9%)もありました。こうして、その一端に過ぎませんが、シニアの普段の状況がぼんやりと見えてきたところで、わが町は人生100年時代を見据えた多世代共生を目指し、地方創生に取り組んでいくこととしました。それはこれまで高齢期と呼ばれていた時期をより前向きに捉えること、つまり高齢期の再定義です。3人生100年時代を見据えて今年7月に開催した「まなびフォーラム」では、最高齢プログラマーとして話題の若宮正子さんをお招きし、新しい何かにチャレンジする創造の楽しさや人生100年時代の到来によって一人ひとりの可能性が年齢に関係なく広がることへの期待についてお話をいただきました。当日は大勢の皆様がお越しくださいました。こうしてまずは気運づくりからスタートを切ったわけです。写真3 まなびフォーラム(写真:聖籠町)そして、次に始めたのが「学ぶことに年齢は関係ない」です。その一つとして、大学で学ぶシニアを応援することにしました。若い学生さんとシニアの学生さんが一つの学び舎でともに学ぶ多世代共生をねらいとするものです(先述の若宮さんのフォーラムも地元の敬和学園大学と共催したもので、同大学で学ぶシニアの学生さん、若い学生さんによるトークセッションも行いました(写真3)。)。この秋からは、1科目から学べる科目等履修生制度を活用するなどして大学で学ぶシニアを対象に学生モニターの募集を開始しました。また、政府の人づくり革命でも謳われているように、働きたいシニアの希望を実現することがこれからの社会において重要なことです。その政策研究を行うため、地元のハローワーク新発田のご協力をいただきながら、関係課長等で構成する研究会も立ち上げました。簡単な話ではありませんが、町として何ができるのか年度内をかけて研究していくこととしています。聖籠町はこれまでも幼児教育の無償化をはじめ時代に先駆けた取組をしてきたまちです。いま、エイジレス社会という新たなチャレンジをしようとしています。どこの自治体にも共通する課題だと思いますが、わが町が今後どのように歩んでいくのかご注目いただけると幸いです。人生100年時代の地方創生を応援します!地方創生コンシェルジュ関東財務局新潟財務事務所長 斉藤友博聖籠町は、大規模な国有財産が存在せず、近年は財政融資資金の貸付もほとんどないなど、新潟財務事務所にとって近くて遠い存在でした。しかし、昨年来、町内の中学生を対象とした財政教育プログラムや、双方の若手職員による意見交換会の実施など、急速に連携を深めています。人口減少が著しい新潟県において、聖籠町は昭和50年以降人口増加が続いていますが、将来の少子高齢化による人口減少は避けては通れない課題です。今後も聖籠町とアイデアを出し合って地域の活性化に取り組んでまいります。 ファイナンス 2018 Dec.73連 載 ■ 各地の話題

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