ファイナンス 2018年12月号 Vol.54 No.9
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人生100年時代を 見据えた地方創生聖籠町・副町長(執筆時は地方創生戦略監)夏井 智毅1聖籠町の紹介聖籠町は新潟県の北部にあり、隣接する県都新潟市の中心地から車で30分程度のところに位置します。町は国際拠点港である「新潟東港」とその背後には東港工業地帯を擁し、その一方ではおいしいお米がつくられる田園と砂丘地で栽培されるさくらんぼやぶどうなどの果樹園が広がっています。また、日本海東北自動車道や新潟空港などへのアクセスも良好な地に位置し、北新潟の交通拠点となっています。写真1  上空から聖籠町を眺める(写真左側一部は新潟市) (写真:聖籠町)明治とともに新潟港が開港して来年で150年を迎えますが、新潟東港は来年で開港50年を迎えます。町の人口は特に1990年代から大きく増え出し、50年前の1万1千人台から現在は1万4千人台になりました。町は平成18年度から、町立幼稚園の保育料を無料とするなど、子育てにやさしいまち・福祉のまちをブランドとしています。また、サーフィンやセーリングといったマリンスポーツの地として、サッカープロチーム・アルビレックス新潟のホームタウンとしての一面もあります。聖籠町は約38km2ほどの小さな町ですが、人が出会い、交流し、活気が生まれています。そんな聖籠町の人生100年時代を見据えた地方創生はまだその緒に就いたばかりですが、この紙面でご紹介させていただきます。なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見が含まれています。写真2 聖籠砂丘のさくらんぼ(写真:聖籠町)2シニアは何を望んでいるか聖籠町は15歳未満人口の割合が15%台とお子さんや子育て世代の人たちが比較的多いまちですが、90年代から大きく増えた人口層が今後高齢化を迎えます。また、我が国は世界に先んじて人生100年ともいわれる長寿社会が到来しようとしています。こうした背景から、昨夏、町内のシニアの人たちが普段どのような活動をしていて、今後どのような活動を望んでいるのかをアンケートしました(対象は60~74歳までの町在住の男女、回収率537件/1000件)。地域性が色濃くでているとは思いますが、読者の皆様の参考になるかと思いますのでここで一部ご紹介いたします。まず、「何歳ころまで収入を伴う仕事をしたいか」の質問については、「働けるうちはいつまでも」と回答し聖籠町72 ファイナンス 2018 Dec.連 載 ■ 各地の話題

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