ファイナンス 2018年12月号 Vol.54 No.9
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【伊佐大臣政務官から】年金は、羊羹に例えると、今年金を受給されている世代、これから受給する世代、すべての世代で100年かけて切り分けて食べようというものです。ある程度羊羹の大きさは決まっていますから、支給している年金をどんどん増やしましょうとなると、将来の羊羹(年金)が減り、皆さんの負担が重くなることになります。このため、景気が良くなり、給料が上がり、一部を年金に回すようなことができれば一番良く、経済成長することが年金にも大事なことです。今の若い方が将来いくら年金をもらえるのかということですが、現役世代の平均給料の何割ぐらい年金として毎月もらえるかといった所得代替率でみてみると、今もらっている世代は62.7%です。これが100年後の計画では50.6%となっています。制度上、たとえ年金が減ったとしても所得代替率は5割を確保するというルールがあり、現役世代の平均給料の半分はもらえるということになります。社会保障 待機児童や高等教育無償化について待機児童対策について、現在の対策では0~2歳児への対応が十分ではないと考えているが、待機児童問題の解消に向けた取組状況はどうなっているのか、といった質問や、高等教育無償化については、経済・教育格差の是正を目的に行う理由は何か、高校中退者や不登校者を減らすための教育充実策に財源を充てるべきではないか、といった意見が寄せられました。【伊佐大臣政務官から】高等教育というのは大学や短大、専門学校のことなのですが、高等教育という観点でいうと依然所得により進学率の差はありますので、家庭の経済状況にかかわらず、幅広く教育を受けられるようしっかりやるべきと思っています。大学等の進学率をみてみると、日本人の一般の進学率は8割ですが、住民税非課税世帯(低所得者)の方々は4割と倍違うという推計もあります。根本的な思いとしては、お金のあるなしで進学をあきらめたりするような人をなくしたいという思いがあります。その他 地域活性化に向けた取組について少子高齢化の進展の背景として、結婚や出産に対する金銭面の不安が要因の一つとして考えられるが、若い世代が活躍できる街づくりのための取組はどうなっているのか、地域経済の活性化等の社会的課題解決に向けて、大学が地方公共団体等と連携することでどのようなことを期待しているか、といった質問がありました。また、観光分野において、県や市への交付金の制約から地域活性化に向けた取組がなかなか進まない、といった意見がありました。【伊佐大臣政務官から】東京一極集中をどうするかというのは、日本全体の問題だと思います。例えば、出生率をみてみても、全国で1.43人、東京で1.2人ぐらいです。地方から東京へ若者が出て行ってみたら待機児童の問題等のいろんな課題もある中、なかなか子どもは増えない状況です。そういう観点からみても、それぞれの地域で仕事があ ファイナンス 2018 Dec.35車座ふるさとトークat静岡英和学院大学SPOT

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