ファイナンス 2018年12月号 Vol.54 No.9
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3大試験の実施方法(1)対象貨幣の選定大試験において量目の秤量試験を受ける貨幣は、大試験用貨幣と呼ばれる。これは、貨幣の種類ごとに、毎日の製造枚数に応じて一定割合(例:通常の500円ニッケル黄銅貨幣の場合、30,000枚又はその端数につき1枚の割合)で抜き取られたもので、一週間分ごとにまとめて袋に封入・保管される。大試験当日、執行官がこの大試験用貨幣の入った袋を開封して試験を実施する。今回の大試験には、昨年の大試験実施以降に製造された500円、100円、50円、10円、5円及び1円の通常貨幣、小笠原諸島復帰50周年記念1,000円銀貨幣*5、2020年東京オリンピック競技大会記念10,000円金貨幣(第一次発行分)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念1,000円銀貨幣(第一次発行分)、100円クラッド貨幣(第一次発行分)*6及び明治150年記念1,000円銀貨幣*7の計11種類(記念貨幣を図柄別(資料1)に換算すると計13種類)の貨幣が試験に供された。(2)大試験貨幣の秤量秤量試験は、原則として一定の枚数ごとの集合秤量により行われるが、上記記念貨幣(2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念100円クラッド貨幣を除く。)については1枚ごとに個別秤量が行われた。集合秤量には大型の両皿天秤を、個別秤量には電子天秤を用いて秤量単位ごとに量目を計測し、計測され*5) 小笠原諸島復帰50周年(平成30年6月26日)を記念し、1,000円銀貨幣を発行(造幣局における通信販売の申込期間は終了)。*6) 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の機運を醸成するため、平成30年11月頃から大会開催直前(平成32年7月)にかけて、10,000円金貨幣、1,000円銀貨幣及びその他貨幣(500円・100円)合わせて37種類を4回に分けて発行予定。そのうち、第一次発行分については10,000円金貨幣、1,000円銀貨幣及び100円クラッド貨幣を5種類発行(10,000円金貨幣及び1,000円銀貨幣について造幣局における通信販売の申込期間は終了。100円クラッド貨幣は11月27日から全国の取扱金融機関において額面による引換を実施)。*7) 明治150年を記念するため、1,000円銀貨幣を発行(造幣局における通信販売の申込期間は終了)。た量目と法定量目との差が、大試験要領に定められている公差(例:通常の500円ニッケル黄銅貨幣の場合、貨幣1,000枚(7,000グラム)当たり±13グラム)の範囲内にあるかどうかを確認する。秤量結果が公差の範囲内にあることが確認されれば、大試験の対象となった貨幣は、すべて適正に製造されたものと認められる。4大試験の結果(確認宣言)今回の試験結果は、法定量目との差が個別秤量で最大0.03グラム、集合秤量で最大1グラムであり、すべての貨種について基準を満たし、「適正」と認められた。この結果について、執行官である伊佐財務大臣政務官が執行結果確認宣言を行い、大試験は終了した。執行官による大試験貨幣の選定両皿天秤による秤量電子天秤による秤量 ファイナンス 2018 Dec.11第147次製造貨幣大試験についてSPOT

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