ファイナンス 2018年11月号 Vol.54 No.8
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類の生産量は5位(1位北海道)と意外に多いのですが、日本を旅行している中国人観光客を対象に日本政府観光局(JNTO)が昨年行った美食総選挙の海鮮部門で、青森県のマグロ丼、福井県の越前ガニ等と競い、新潟県のベニズワイガニが一番人気となりました。でも、経済活動で見ると、農林水産業のシェアは新潟県でも大きくありません。平成27年度の県内総生産全体8兆8,456億円のうち農林水産業の占める割合は1,402億円、1.6%なのです。(国は同年度で1.1%)担い手不足など全国共通の課題があり、生産量は減少傾向です。稼げる産業にしていかなければですね。日本の美を象徴する「泳ぐ芸術」これまで食べ物メインで触れてきましたが、最後に心安らぐ芸術の秋という観点でご紹介します。200年以上前の江戸時代後期に、マゴイから突然変異した変種を観賞魚として養殖したのがはじまりとされる錦鯉。現在はヨーロッパ、北米、アジアに広く人気があり、日本からの輸出額はコメを上回るほどの魅力的なコンテンツとなっています。海外でも呼び名は「NISHIKIGOI」や「KOI」。金を織り交ぜた絹織物を名前にするなんてかっこいいですよね。世界を代表する観賞魚となった錦鯉が、クールジャパン、インバウンドといった流れの中で、日に日に注目を集めているのを感じます。日本全体の輸出額は右肩上がりで30億円台後半ですが、その3分の2を占めているのが新潟県です。それもそのはず、錦鯉発祥の地は、新潟県(現在の小千谷市から長岡市にまたがる地域)なのです。きれいな錦鯉は、稚魚から何回も選別し、1%ほどの選ばれたものですが、その過程を含め、小千谷市にある「錦鯉の里」で見ることができます。地方で育った世界の文化、一度訪れてみませんか。世界に誇る観賞魚 ファイナンス 2018 Nov.59ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連 載 ■ ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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