ファイナンス 2018年11月号 Vol.54 No.8
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第十二回 コメだけじゃないぞニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?新潟のイメージを伺うと、コメか日本酒をおっしゃる方が多いです。確かにコメは日本一の生産量、そして日本一のブランド力を誇る魚沼産コシヒカリ、それと並ぶ新ブランド「新之助」をはじめ、新潟県産米は高価格で取引頂いています。食欲の秋、今回はまだまだ知られていない野菜や果物などの農林水産物について触れてみたいと思います。生産量5位なのに「枝豆県」?新潟のソウルフード的農産物と言えば、枝豆と茄子でしょうか。茹でた枝豆や茄子の漬け物が大きな鉢や大皿にどーんと入って家庭で出る、という感じです。他県に行くと、なんて量が少ない(上品な?)盛りつけなんだろう、とがっかりしたという新潟県民の話をよく聞きます。5月から10月まで、約40種類の枝豆が順次食べ頃を迎え、「そろそろ黒埼茶豆がでるね」「肴豆か。遂に枝豆も食べ納めだね。」など、微妙な季節の移ろいを感じながら会話が行われます。枝豆の作付面積は日本一(1,570ha)で、まさに枝豆県。でも販売ベースの収穫量は47都道府県で5位(5,400t)。土地が痩せ細ってる? 違います。雪国だから? 違います。夏場は実は東京より日照時間が長い新潟。美味しい枝豆が育まれ、自分達で食べてしまうからと言われています。9月号に取り上げた「家計調査」ベースでみても、新潟市民の一人当たり購入量は日本一です。表題の横にある新潟県の姿が枝豆の形に見えてきますね。茄子も同様に、作付面積1位(620ha)、収穫量は12位(8,120t)です。その他、収穫量でみても、すいかが6位(1位熊本県)、日本梨が7位(1位千葉県)、柿が6位(1位和歌山県)など、コメという印象と実際はだいぶ違いますね。高級果物では西洋なしの「ルレクチエ」がまさに旬を迎えるところです。また、花きや林産物でみても、ユリ切り花は3位(1位埼玉県)、きのこ2位(1位長野県)。さらに、豊富な魚介類。新潟県は海岸線が東京ー大阪間より長い635kmあり、また暖流系寒流系双方の魚介類が獲れるのです。のどぐろ、寒ブリなど、聞くだけで食べたくなりますが、ここではカニについて触れます。カニ新潟県総務管理部長(元財務省広報室長)佐久間 寛道県民のソウルフード「枝豆」新ブランド「新之助」58 ファイナンス 2018 Nov.連 載 ■ ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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