ファイナンス 2018年11月号 Vol.54 No.8
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3飛騨路美濃の国を東西に横断するのが中山道であるが、この前のゴールデンウィーク(GW)に、東京から来た友人たちを飛騨の国を東西に横断するように案内した。(1)白川郷と高山市東京から北陸新幹線に乗車。東京駅を7:20に出発すれば、富山駅に9:32、金沢駅に9:51に着く。例えば金沢を観光するとすれば、午前中兼六園などを歩き、近江町市場で昼食。金沢駅から13:10の高速バスに乗れば、14:25に白川郷に着く。片道1850円。ユネスコ世界文化遺産にも認定された合掌造り集落を見る。10月であれば、どぶろく祭が開催されている。どぶろくの旨さもさることながら、獅子舞の奉納を見たり、陽気でお酒好きの白川村村長さんと一緒に飲んだりすることができる。白川郷を16:15に出て、バスで高山駅に17:20。実際、こういう経路で東京からの客人は高山までお越しになり、我々家族と合流した。高山は、言わずと知れた観光都市。見るもの、食べるもの、泊まるところには不足しない。そんな高山市で一つだけ観光名所をお勧めするとすれば、飛騨安国寺(注:安国寺からは、何の謝礼も受け取っていない)。市街地から少し距離があるため車での移動が望ましい。岐阜県には建造物の国宝は3つあるが、安国寺経蔵はその一つである(残りの2つは多治見市にある永保寺の観音堂と開山堂)。事前に予約していけば、住職から安国寺の沿革や経蔵が作られた経緯まで丁寧に解説していただける。経蔵には中国の元から持ち帰ったお経が納められているが、その八角形の蔵は回転式となっている。国宝をこんなに身近で感じることができるなど、ここ以外では考えられないのではないだろうか。余談8:白川郷は白川村にある。では東白川村は、というと、白川村の東隣りにあるわけではなく、むしろ正反対。白川村が岐阜県の北西とすれば、東白川村は南東の方にあるからややこしい。白川町に関しても、同様に南東の方にある。(2)奥飛騨温泉郷翌日は高山市街から、飛騨大鍾乳洞に寄り道しつつ、奥飛騨温泉郷へ。その最深部に新穂高ロープウェイがある。場所のイメージがつかみにくいかもしれないが、北アルプスと称される飛騨山脈、その主峰である槍ヶ岳から南に穂高連峰が連なっており、岐阜県と長野県の県境を画しているが、その東側が上高地、西側が新穂高温泉である。岐阜県側と長野県側は安房トンネルで行き来できるので、東京からは予想以上に近い場所にある(上高地に行くのと変わらない)。新穂高ロープウェイは、なんと年中無休。冬季は冬山登山のベテランが、西穂山荘から穂高連峰を目指して登るという。我々がロープウェイに乗ったのはGWだったが、それでも雪が降り、寒さに震えた。子供らは楽しく雪遊びをしていたが。岐阜県側には、上高地帝国ホテルのような大きなホテルはないが、個性的な温泉宿が数多く存在し、田舎に帰省したときのような安らぎを感じることができる。翌日は、平湯温泉などに立ち寄った後、安房トンネルそばにある平湯バスターミナルで東京からの客人たちとお別れした。16:00の高速バスに乗れば、新宿に20:30(4時間半)。片道5860円。上高地は確かに素晴らしいが、それに劣らぬ観光資源が穂高連峰を越えたところにあることをもっとPRしていきたい。余談9:山に行くと「ヤッホー」と、つい言ってしまう。その語源は諸説あり、主流はドイツ語の山の掛け声「ヨッホ」が変化した、というものだが、「槍ヶ岳、穂高岳の頭文字をとってヤッホーという。」という説を聞いたことがある。4長良川ワンダーランド現在私は、岐阜城のある金華山の近くに住み、毎日長良川沿いを自転車で通勤しているが、季節や天候によって長良川は日々違った表情を見せてくれる。岐阜市は人口約40万人の中核市であり、そのど真ん中を長良川が流れているが、そのような市街地にあるとは思えないほど自然が豊かである。もちろん川では鮎釣りや鵜飼が盛んに行われているが、河川敷もま ファイナンス 2018 Nov.29「清流の国ぎふ」からSPOT

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