ファイナンス 2018年10月号 Vol.54 No.7
88/92

宮古島3下地島空港の利活用宮古島から伊良部大橋を渡り、隣接する下地島北西に下地島空港は位置しています。同空港は、昭和54年7月に開港・供用が開始され、3,000mの滑走路を有する国内唯一の民間ジェット機のパイロット訓練空港として現在まで運用されてきました。その間、民間国内定期路線なども運航されましたが、平成6年に定期路線が運休、平成27年までに実機訓練から大手航空会社が相次いで撤退し、利用が低迷、新たな利活用が課題となっていました。そのような中、沖縄県は下地島空港及び周辺用地の利活用基本方針を策定し、平成29年3月同基本方針に基づく利活用候補事業として、国際線旅客施設整備などを含む2つの事業について民間事業者と基本合意書を締結しました。さらに同年7月には国土交通省から下地島空港が「訪日誘客支援空港」に認定され、国内外のLCC航空路線の誘致と年間受入旅客数30万人(平成33年)を目標に、平成31年3月の開業に向けて旅客ターミナル等の整備が進められています。● 下地島空港管制塔左側クレーン付近が建築中の旅客ターミナル4宮古島の懸け橋 (伊良部、池間、来間大橋)冒頭宮古群島が8つの島々から形成されている旨を記述いたしましたが、宮古群島では離島振興策として、電気、水道などのインフラ整備、さまざまな離島問題の解決を目的に島同士を結ぶ橋の整備が進められ、現在は宮古島と伊良部島、池間島、来間島がそれぞれ架橋で結ばれています。(下地島は伊良部島と隣接しており、小規模の橋で結ばれています。)架橋により宮古群島が5つの島が車で自由に往来することができるようになり、離島ゆえの医療、福祉、教育などの諸問題における不利・不便さの解消と宮古圏内の観光などの地域振興が図られるなどまさに夢の懸け橋となっています。ちなみに8つの島々のうち残る多良間、水納島は距離的に架橋が難しく、また大神島は拝所など立ち入りが制限されている場所が多く、神聖な島として扱われており、島民が架橋自体を希望していないとのことです。● 伊良部大橋平成27年1月に開通した宮古島と伊良部島を結ぶ全長3,540m(海中道路、取付道路などを含めると6,500m)の橋。離島同士を結ぶ無料橋としては日本最長。● 池間大橋平成4年2月に開通した池間島と宮古島を結ぶ全長1,425mの橋。平成7年に来間大橋が開通するまでは県内最長であった。84 ファイナンス 2018 Oct.連 載 ■ 各地の話題

元のページ  ../index.html#88

このブックを見る