ファイナンス 2018年10月号 Vol.54 No.7
87/92

各地の話題1はじめに平良出張所は、昭和28年に琉球税関宮古支署として設置され、昭和47年沖縄の本土復帰に伴い、沖縄地区税関平良出張所に名称を変更、平成6年の機構改革により現在の呼称となっています。地理的には沖縄本島の南西約290kmに位置し、大小8つの島からなる宮古群島と周辺の広大な海域が管轄地域に含まれています。管轄内には外国貿易港としての開港である平良港のほか、宮古、下地島、多良間の3つの空港(不開港)、20余りの不開港・漁港が点在しています。宮古島市の人口は約5万4千人、産業別人口では農業、漁業等の第一次産業従事者の占める割合が宮古島全体の24%と高いことが特徴です。2発展する平良港平良港は、宮古島の北西部に位置し、古くから宮古圏域における物流拠点として重要な役割を果してきました。沖縄県が本土復帰した昭和47年には出張所管内唯一の開港に指定されるとともに、平良市(現在は、宮古島市)を管理者とする重要港湾にも指定されました。長い間島の経済、島民の生活を支えてきた平良港ですが、近年では国際クルーズ船の入港増加などにより、港湾整備が進むなど急激に変化を遂げています。平成27年7月、それまで韓国に寄港していた国際クルーズ船が当時発生した「韓国MERS(コロナウイルス)」の影響を懸念し、宮古島に寄港地を変更したことにより、この年13隻が平良港に入港しました。これを機に、宮古島市は積極的な大型クルーズ客船誘致に向けた取組み強化を図り、以来、平成28年84隻(前年の6.5倍)、平成29年130隻(前年の1.5倍)、の入港隻数を記録し、さらに今年は180隻余りの国際クルーズ船の入港が予定されています。平成28年7月、平良港が国土交通省より「官民連携による国際クルーズ船拠点形成港」に指定されましたが、これにより平成32年を目途にクルーズ船専用岸壁と旅客ターミナルが整備される計画となっており、運用開始当初のクルーズ船寄港目標は250隻を見込むなど、今後益々平良港の発展と宮古島への更なる経済効果が期待されています。発展する宮古島沖縄地区税関 石垣税関支署 平良出張所 所長金城 忠明宮古島● 外航クルーズ船2隻同時入港 ファイナンス 2018 Oct.83連 載 ■ 各地の話題

元のページ  ../index.html#87

このブックを見る