ファイナンス 2018年9月号 Vol.54 No.6
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各地の話題あることを改めて認識いただき、市民一人ひとりが忍者の歴史文化や精神を継承し、官民一体となって忍者を活かした観光誘客やまちづくりを進めていくことをめざして平成29年2月22日に「忍者市」を宣言しました。また、同年4月28日には、「忍びの里 伊賀・甲賀―リアル忍者を求めて」と題して、滋賀県甲賀市と伊賀市が共同申請していた「伊賀忍者・甲賀忍者」が日本遺産に認定されました。国から伊賀が本物の忍者の里だと、お墨付きをいただくことができたようで大変うれしく感じています。伊賀には、戦国時代を感じる中世城館跡が多く残り、忍者たちが修練の場とした山々が里を囲み、結集し合議の場とした鎮守の杜など、現代においても忍者の気配を感じることができる歴史遺産が、そこここに多く残されています。これを機に、たくさんの方に忍者の里を訪れて頂き、リアル忍者のストーリーを体感して頂けるよう趣向を凝らし、国内はもとより世界に向けて、その魅力を発信していきたいと思います。また、昨年7月には三重大学が「国際忍者研究センター」を開設され、今年2月には「国際忍者学会」を設立いただくなど、これまでアクションやイメージが先行していた忍者を学問的に研究していただいたり、忍者の真実を探求するような機会も増えてきました。写真2 忍者トレイルランニングレース(写真:伊賀市)さらには昨年8月には日本航空株式会社(JAL)と三重県、三重大学、伊賀市が相互の連携を強化し、伊賀市の持つ歴史的背景、環境特性を活かした地方創生事業を推進するため「忍びの里 伊賀」創生プロジェクトを立ち上げました。これは「忍びの里伊賀」をフィールドとした「忍者の心・技・体」を体感できるプログラムを展開していこうというものです。具体的な取組としましては、「忍者が駆け抜けた山を走る」をコンセプトに、900人規模の「忍者トレイルランニングレース」を開催しています。また、忍者が多く住んでいたと言われる北伊賀の丸柱地域等において、当時の風景と変わらない伊賀の里山の生活を体験し、滞在する「ほんまもん体験」など新たな取組とともに、従来の取組に磨きをかけながら、訪れた人が満足できる多様な観光地づくりを進めていきたいと考えています。3忍者を入り口・切り口に忍者が注目されているこの好機をとらえ、事業者の方々や市民の皆さんなど、あらゆる主体と連携しながら、「忍者」というキーワードを入り口、切り口にして、伊賀のたくさんの観光資源、地域資源をもっと知っていただき、多くの方にこの地を訪れていただき、市民の皆さんに果実を得ていただけるよう、一味同心、伊賀市全体で一丸となって取り組んでいきたいと考えています。影の身から表舞台に躍り出た「伊賀忍者」の里。今後も注目いただきますようお願いいたします。世界に躍り出た「伊賀忍者」!!地方創生コンシェルジュ東海財務局津財務事務所長 林 敬治誰もが知る「忍者」を観光戦略の入り口とし、「忍びの里 伊賀」創生プロジェクトをはじめとするコト消費を充実させた伊賀市は、これまで以上に国内外から注目されることでしょう。忍びきれなくなって世界に躍り出た伊賀忍者が、地域活性化の切り札として忍術を磨き上げ、地域一丸となって、更なる発展をもたらすことを期待しています。【三重県伊賀市】 ファイナンス 2018 Sep.85連 載 ■ 各地の話題

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