ファイナンス 2018年9月号 Vol.54 No.6
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忍者市の挑戦忍んでも忍びきれない伊賀忍者の里伊賀市(忍者市)観光戦略課 課長川部 千佳伊賀市1伊賀市の紹介伊賀市は、三重県の北西部に位置し、北は滋賀県、西は京都府、奈良県と接しています。また、大阪、京都、名古屋の中間地点という立地優位性を有し、名阪国道、新名神高速道路などにより、それぞれの都市から車で約80分でお越しいただくことができるほか、JR、近鉄、伊賀鉄道、三重交通バスなどの交通機関により近畿圏、中部圏からのアクセスが容易です。当市は、京都・奈良や伊勢を結ぶ大和街道・伊賀街道・初瀬街道を有し、古来より飛鳥、奈良、京都など都に隣接する地域として、また、交通の要衝として、江戸時代には藤堂家の城下町や伊勢神宮への参宮者の宿場町として栄えてきました。このような地理的・歴史的背景から京・大和文化の影響を強く受けながらも独自の文化を醸成し、伊賀流忍者や俳聖松尾芭蕉、観阿弥・世阿弥や横光利一のふるさととして、また、吉田兼好ゆかりの地としても広く知られています。また、豊かな自然と農林業の景観や温泉などの自然資源、修正会で知られる観菩提寺正月堂などの社寺仏閣や歴史的建築物、伊賀上野城・伊賀流忍者博物館・芭蕉関連施設などの歴史文化資源、ユネスコ無形文化遺産に登録されている上野天神祭をはじめとする地域の歴史ある祭り、また手組み紐が全国生産の大半を占める伊賀組紐や1250年余りの伝統を誇る伊賀焼等の伝統的工芸品産業など、独自の文化を形成してきた伊賀特有の資源が数多くあり、歴史文化の薫る地域となっています。2忍者を活かした観光まちづくりこのように多種多様な観光資源を有していることから「藤堂藩の城下町」「松尾芭蕉生誕の地」「観阿弥生誕の地」と伊賀には多くの言葉が冠せられますが、今、一番注目を集めているのが「伊賀流忍者発祥の地」伊賀ではないかと思います。「NINJA」は、今やクールジャパンの象徴として、世界に通用するコンテンツとなっています。そして、全国各地で忍者を活かした取り組みが行われてきています。当市はみなさんご存知のとおり、歴史にも裏付けされた伊賀流忍者発祥の地であり、戦後すぐから先人が「忍者」を取り入れた観光地づくり、人づくりに取り組んできており、その精神は現代へと引き継がれています。そこで私達の伊賀市は、他の地域と一線を画す忍者の本流だということを広く発信するために、また、市民の皆さんにもこの伊賀市が忍者発祥の地で写真1  伊賀市「忍者市」宣言 伊賀市観光大使いが☆グリオと伊賀市長(写真:伊賀市)84 ファイナンス 2018 Sep.連 載 ■ 各地の話題

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