ファイナンス 2018年9月号 Vol.54 No.6
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地方創生に積極的に取り組む自治体(原則人口5万人以下)に対しては、国家公務員や大学研究者、民間人材を、市町村長の補佐役として自治体に派遣しています。本記事では、2017年度に財務省から各地に派遣された職員から、現地の概況や地方創生の取組について紹介します。地方創生の現場から【第5回】宮城県・東松島市の取組み宮城県東松島市 総務部経営調整監 兼 地方創生推進室長 榑谷 健太郎1 東松島市の概要(1)まちの特徴日本三景の一つ「松島」の一部を有する東松島市。奥松島と呼ばれる松島湾の東側のエリアは、美しい眺めと新鮮な海産物が楽しめるため、観光地として最適です。海産物では、牡蠣や皇室御献上の海苔が有名で、特に牡蠣は粒も大きく味も濃いため、10~3月の旬の時期は非常に人気となっています。市内にはブルーインパルスの本拠地である航空自衛隊松島基地があり、もしかしたらドラマ「空飛ぶ広報室」の舞台としてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。人口は現在40,138人*1で、直近数年はほぼ横倍で推移しています。仙台市と石巻市の間に位置していること、豊かな自然環境と松島基地があること等が要因かと思われますが、東北太平洋沿岸地域としては人口減少問題に対して健闘している都市と言えます。(2)東日本大震災の影響2011年3月11日の東日本大震災で、太平洋沿岸にある東松島市は津波による甚大な被害を受けました。浸水地域は市街地の65%と被災市町村の中で最大であり、死者・行方不明者1,133名(人口の3%)、東側に位置する石巻市等とともに東日本大震災における最も被害の大きかった被災地の一つです。震災による直接被害に加え、住む場所や働く場所を失われたために、3,400人もの人口減少となりました。イ~ナちゃんイートくん*1) 住民基本台帳登録数。なお、数字については特に記載が無い限り2018年4月1日時点とします。▲航空祭でのブルーインパルスの展示飛行▲野蒜地区(旧東名駅周辺)の被災状況48 ファイナンス 2018 Sep.

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