ファイナンス 2018年9月号 Vol.54 No.6
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第6回DBJ女性コンペで大賞を受賞致しました川島です。大学で社会福祉を学んだ後、病院相談員を始まりに医療系の研究機関や企業に勤務、その後名古屋大学医学部附属病院で共同研究員として医療コンシェルジュサービス開発に携わった経験等を踏まえ、起業の道を選び、2015年に今回受賞した事業を行う株式会社クラウドクリニックを創立致しました。当社はクラウド技術を活用し、在宅医療を行う医師の負担軽減を図るアウトソースの支援サービス「クラウドクリニック」事業を展開しています。超高齢化での医療費高騰により、大病院中心の医療から在宅医療への移行が求められ、また自宅で最期を迎えたいと希望する人も増えていますが、一方で、在宅医療は携わる医師の負担等の課題に直面しています。私は父の死を通じて在宅医療を知ったことで、これまでの大学病院や研究機関勤務で得た知識・教育ノウハウやサービス開発等の経験を活かせることに気付き、この解決のために起業に至りました。当社のサービス(下表参照)は、在宅医療の繁雑な事務作業を、遠隔オペレーションセンターで受託し現場の医師をサポートするものですが、サポートを行うスタッフは出産等で離職した医療有資格者の女性で、彼女達のスキルの有効活用・キャリア形成も同時に実現する点も特徴となっています。当社事業により、多くの医師が在宅医療に携わり、高い品質の在宅医療が提供されること、また潜在する医療職の女性に活躍の機会を提供することで働き方改革にも繋がればと願っております。今後は事業を通じて得たノウハウを活かし、より高度なサービスのためシステム開発に注力し、在宅医療現場の更なる効率化を一層推進して行きたいと考えております。クラウド技術の活用により在宅医療の負担軽減と医療職女性の活躍の機会を提供株式会社クラウドクリニック代表取締役 川島史子さんDBJ女性起業大賞(受賞者インタビュー) ファイナンス 2018 Sep.37日本政策投資銀行の女性起業支援に向けた取組についてSPOT

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