ファイナンス 2018年8月号 Vol.54 No.5
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【龍りょう潭たん寺じ】龍潭寺は、戦国時代の遠江(静岡県西部)を本拠とした井伊家を描いたNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」が平成29年1月から放映されたことから有名になり、多くの観光客が訪れています。天平5年(733年)、行基によって開かれたとされ、平安時代から井伊家の菩提寺となっています。戦国時代の永禄3年(1560年)に戦死した二十二代当主井伊直盛がこの寺に葬られ、直盛の法号から龍潭寺と改められました。直盛には、嫡男がなく、幼少の虎松が当主となるところ、戦乱を避けるため、直盛の一人娘が井伊直虎(次郎法師)を名乗り、女領主として井伊家の舵取りをし、虎松を育て上げました。虎松は、二十四代当主として、徳川家康に仕え、後に井伊直政となって活躍し、井伊家再興を果たすとともに、徳川四天王と称され、徳川幕府の基礎作りに大きな貢献をしました。なお、龍潭寺の一万坪の境内には、左ひだり甚じん五ご郎ろうの龍の彫刻など多くの文化財があり、また、国指定名勝、小堀遠州作「龍潭寺庭園」が四季折々の風光と調和しながら、悠久たる「井の国」の歴史と文化と振興を今日に伝えています。龍潭寺【新あら居い関所】浜名湖に面した湖西市にある新居関所は、慶長5年(1600年)に徳川家康により創設された関所です。江戸幕府は、江戸を守る目的で「入鉄砲と出女」に対し厳しく取り締まりを行うため、五街道のなかでも最も往来の多かった東海道に関所を設けました。現在の新居関所は、地震による倒壊後、安政5年(1858年)に再建されたもので、全国に53ヶ所あった関所建物で唯一現存している建物であることから国の特別史跡に指定されています。【浜松まつり】毎年、5月3日から5日の3日間で行われる。端午の節句にちなみ、長男(初子)の誕生を祝うまつりでしたが、近年では、次男以降や女児の誕生も祝っています。昼には凧揚げ合戦、夜には御殿屋台の引き回しと練りが行われています。凧揚げ合戦は、中田島砂丘にある遠州灘海浜公園で行われ、町(自治会)ごとに、それぞれ固有の町紋(凧印)が描かれた大凧を揚げ、凧糸を切り合って競うものです。この大凧は、糸切り合戦に重きを置き、形は正方形で2.4m四方から2.9m四方と大きく、他の地方の凧と比べると頑丈で重いのが特徴です。この大凧が揚がる景色は壮大で一見の価値があります。夜になると、豪華な彫刻や幕などで装飾された御殿屋台が、街を練り歩き、内では女の子達を中心に三味線や笛を用いたお囃子が奏でられます。また、ラッパの演奏が有名であり、幼稚園児や小学生を中心として子供から大人までの参加者により吹奏が行われます。このまつりには、例年大勢の観光客が訪れ、平成30年には177万人が訪れています。3おわりにこのように浜松西税務署管内には、歴史を感じさせる数々の名所、旧跡、祭りがあり、四季を通して楽しめる自然もあります。是非、静岡にお越しの際は、お立ち寄りください。浜松まつり78 ファイナンス 2018 Aug.連 載 ■ 各地の話題

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