ファイナンス 2018年8月号 Vol.54 No.5
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江え戸ど前まえつけ麺めん 銀ぎん座ざ魄はく瑛えい【東銀座】東銀座に舞い降りた新星。「特製つけ麺」で 新世代つけ麺の醍醐味を味わい尽くせ!ロケーションは、銀座の中心部である四丁目エリア。そんな銀座四丁目の路地にひっそりと佇むのが、今回ご紹介する『江戸前つけ麺銀座魄瑛(はくえい)』。同店の在処は、東京メトロ日比谷線東銀座駅から徒歩3分程度の場所にあるビルディングの2階。1階に鎮座する『銀座緑花堂(シュークリーム専門店)』の看板が格好の目印となる。ビルの入口から2階にアクセスするに当たっては、エレベーターを使用。エレベーターの扉が開くと視界に入る券売機で食券を買い入店する、というのが席に着くまでの大まかな流れだ。『魄瑛』が提供するメニューは、日本でも屈指のラーメン作りの名手・塚田氏がプロデュースしたもの。塚田氏と言えば、『烈士洵名(春日)』『本枯中華そば魚雷(春日)』『悪代官(小岩)』『チラナイサクラ(御徒町)』など、数多くの実力店を輩出してきた実力派グループ『ボンドオブハーツ』の代表。食べ手のツボに刺さる1杯を創るのは、得意中の得意だ。看板メニューは、ズバリ、「特製つけ麺」。スープは、丸鶏からうま味の粋を切り出した清湯出汁と、大量の江戸前シジミから採った貝出汁とを、提供する直前に絶妙な塩梅でブレンド。ひと啜りすれば、シジミの艶やかな風味が口内に満ちあふれ、その後を追うように、鶏の滋味深いうま味が味覚中枢を心地良く刺激。鶏の存在感を一層高めるため、青森県産の鶏から採った鶏油を鶏出汁と合わせる手法は、鶏という素材の魅力を知り尽くした塚田氏だからこそなし得る業だ。スープだけではない。麺やトッピングにも、ラーメン好きならずとも涙を流して喜びそうなギミックが随所に施されている。麺には、石臼で挽いた信州産の小麦を使用。加えて、麺への香り付けとして「白トリュフオイル」を用いることで、芳醇なシジミ&鶏とのマリアージュを狙う。麺の上にチョコンと載せられた純白色のムースは、江戸前シジミを加工して創り上げたもの。ムースを麺にしっとりと絡め、ムースが付着していない部分だけをつけダレに漬していただくのが、オススメの食べ方だ。麺を数本つまみ、力いっぱい啜り上げれば、シジミ・鶏・麦・トリュフの4者のうま味が口の中で渾然一体と化し、比類のないうま味の坩堝を形成。食べ手は我を忘れて箸を持つ手を動かし続けるしか術がない。食事中のお客さんには「お味はいかがですか」、食事を終えたお客さんには「お味はいかがでしたか」と、声を掛けるスタッフの気遣いにも好感が持てる。現在のところ、目立たない立地も相まって、良店でありながらまだ大ブレイクまでには至っていない模様。足を運ぶのであれば、今がチャンスだ。(店舗情報)住所:中央区銀座4-10-1 HOLON-GINZA2F電話番号:03-3542-6190営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00(LO:21:30)定休日:日曜・月曜プロフィールラーメン探究家 かずあっきぃ(田中 一明)1972年11月生まれ。学生時代に出逢った1杯のラーメンに感銘を受け、1995年より本格的な食べ歩きに着手。「ラーメンの魅力の探究」をライフワークとし、年間700杯以上のラーメンをコンスタントに実食。総食杯数は12,000杯を超える。日本全国のラーメン事情に通暁し、各種媒体にラーメン情報を精力的に発信。74 ファイナンス 2018 Aug.かずあっきぃのラーメン探訪記連 載 ■ かずあっきぃのラーメン探訪記

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