ファイナンス 2018年8月号 Vol.54 No.5
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軽減税率の対象となる飲食料品の範囲医薬品・医薬部外品等酒類外食ケータリング等有料老人ホーム等で行う飲食料品の提供テイクアウト・宅配等一体資産(※)軽減税率対象標準税率対象飲食料品(食品表示法に規定する食品)人の飲用又は食用に供されるもの=※一定の一体資産は飲食料品に含まれます。*3) 「外食」とは、飲食店業等を営む者がテーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において、飲食料品を飲食させるサービスをいいます。*4) 「ケータリング」とは、相手方の指定した場所で行う加熱、調理又は給仕等のサービスを伴う飲食料品の提供をいいます。2 軽減税率制度の概要2019年10月1日の消費税率の8%から10%への引上げと同時に、低所得者の方への配慮として、飲食料品と一定の新聞の譲渡を対象に消費税「軽減税率制度」が実施されます。軽減税率制度の下では、消費税と地方消費税を合わせた税率は標準税率10%と軽減税率8%となります。なお、現在の税率も8%(国:6.3%、地方:1.7%)ですが、軽減税率の8%(国:6.24%、地方:1.76%)とは、消費税率と地方消費税率の内訳が異なっています。このため、標準税率と軽減税率を分けて記帳するなど区分経理を行う必要があるほか、特に消費税率引上げ時期である2019年10月1日をまたぐ期の経理処理においては、現行の8%分と軽減税率分を区分しておく必要があります。3 軽減税率の対象品目軽減税率の対象品目は、酒類・外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される新聞のうち、定期購読契約に基づくものです。(1)飲食料品軽減税率の適用対象となる「飲食料品」とは、食品表示法に規定する食品、すなわち人の飲用又は食用に供されるものをいいます。また、酒税法に規定する「酒類」は、軽減税率の適用対象となる飲食料品から除かれているため、「医薬品・医薬部外品等」は、食品表示法上の食品に該当しないため、それぞれ軽減税率の適用対象外となります。(2)外食、ケータリング「外食」*3や「ケータリング」*4は、軽減税率の適用対象となりません。「外食」は消費税負担が逆進的とは言えないことや諸外国においても軽減税率の適用対象外とされている事例が多く見受けられることから軽減税率の適用対象外とされています。また、「ケータリング」について、典型的な例としては、企業が会議室等でパーティーを行う場合に、その会場で料理を加熱、配膳し、提供する事例がありますが、これは飲食料品を飲食させるサービスであり、外食と同様、軽減税率の適用対象外とされています。ただし、「ケータリング」のうち、有料老人ホーム等で提供される飲食料品や学校給食などは、一定の要件のもと軽減税率の適用対象とされています。なぜなら、こうした飲食料品の提供は、原則、通常のケータリングサービスのようにその都度自らの選択で受けるものではなく、日常生活や学校生活を営む場において他の形態で食事をとることが困難で施設の設置者等が提供する飲食料品を食べざるを得ないという面があるためです。(3)テイクアウト、出前・配達飲食店における飲食料品の提供形態には、その場で ファイナンス 2018 Aug.3消費税軽減税率制度、インボイス制度が実施されます!特集

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