ファイナンス 2018年8月号 Vol.54 No.5
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特に女性同士による「HAKKEYOI」は迫力があり、人気競技の一つでございます。佐賀大学に所属されている留学生の方々も多数選手として参加されており、この「鹿島ガタリンピック」は今年で34回目を迎えました。ぜひ、「ファイナンス」をご覧の皆様も一度「鹿島ガタリンピック」に参加されることをお勧め致します。なお、詳しくは、以下のHPアドレスをご覧ください。※ 「むつごろう」とはハゼ科の一種で、有明海の干潟に生息する魚。蒲焼は佐賀県郷土料理の一つ。※http://www.gatalympic.com/県下でも有数の酒どころ、鹿島市は、多良岳山系の清水や良質なお米に恵まれたこの土地では、江戸時代から酒造りが盛んに行われ、今も醸造を続ける酒蔵が市内に6蔵存在します。その6蔵のうちの一つ、富久千代酒造の「鍋島 大吟醸」が2011年、IWCで世界一の栄誉「チャンピオン・サケ」に輝き、その受賞以来、鹿島は「世界一の酒が生まれたまち」と呼ばれるようになり、県内外から注目を集め、訪れるひとも増えることになります。「祐徳稲荷神社」と「干潟のまち・鹿島」に「酒蔵のまち」という魅力が加わった現在の鹿島市。美味しいお酒を長い間造りつづけてきた蔵人たちの思いを、まち全体で守り伝えたい。そんな気持ちがひとつに集まって、「鹿島酒蔵ツーリズム」が誕生いたしました。全国の酒蔵ツーリズム推進組織の先駆けとなった「鹿島酒蔵ツーリズム」は「鍋島 大吟醸」が世界チャンピオンとなった翌年の2012年から始まり、今年で7回目を迎えた「鹿島酒蔵ツーリズム2018」は、2日間で8万人を超えるなど、お酒愛好家のみなさまが全国からお見えになり、増加の一途を辿っております。詳しくは、以下のHPアドレスをご覧ください。※ IWC(インターナショナルワインチャレンジ)とは、世界最大規模で最高権威と評されるワインの品評会。※http://sakagura-tourism.com/main/1.html例年2月~3月には、2011年度からとり組んでいる「スポーツ合宿」が功を奏し、今では箱根駅伝の常連校が毎年「鹿島」で合宿を行います。なお、合宿初日には関係者全てが参列し「祐徳稲荷神社」本殿において必勝祈願が行われます。(青山学院大学、順天堂大学、大東文化大学、日本体育大学、明治大学、東洋大学:平成30年の参加大学)。イ.引き継がれる鹿島の魂「地方創生」の人材今でこそ「鹿島ガタリンピック」や「鹿島酒蔵ツーリズム」には多くの観光客がお見えになりますが、これらが生まれるきっかけとなったのは、1984年、新幹線や高速道路が鹿島市を通らないことが決定したことを機に「鹿島ガタリンピック」が誕生し、酒類販売が1989年に自由化されたことを機に「鹿島酒蔵ツーリズム」が誕生したものでございます。高速交通体系の決定や酒類販売の自由化は歓迎することではありますが、この決定事項に喜びをあげる市町がある反面、厳しい環境となるところも存在するわけで、鹿島市は後者に位置する非常に厳しい環境となったことは疑いようがない事実でした。これは小さな酒蔵が多く存在する市内の事業者等も同様でございます。明治大学合宿鹿島酒蔵ツーリズム ファイナンス 2018 Aug.37地方創生の現場から【第4回】

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