ファイナンス 2018年7月号 Vol.54 No.4
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らーめん谷たに瀬せ家や【新橋】ガッツリ系ラーメンの誕生ラッシュに沸く新橋! 今度の新店は、本格派家系『谷瀬家』2018年に入り、空前のガッツリ系ラーメン店のオープンラッシュに沸く新橋エリア。今回ご紹介する『谷瀬家』もまた新橋生まれ。オープンは5月22日と、出来立てのホヤホヤ。ロケーションは、JR新橋駅(烏森口)から徒歩3分弱。人の往来が激しい通り沿いに店舗を構えており、訪問の際、迷うことはまずないだろう。ところで、読者の皆さんは憶えておられるだろうか。前回ご紹介した『麺屋味方』の場所も新橋烏森口だったことを。それ以外にも、新橋エリアでは、『舎鈴新橋西口店』が屋号を『孫作』へと変え、5月からニュータイプのガッツリつけ麺の提供を開始している。端的に申し上げれば今、新橋エリアは激アツなのだ。さて、『谷瀬家』の話に戻ろう。同店は、横浜のご当地麺である「横濱家系ラーメン」の専門店。「横濱家系ラーメン」とは、横浜の『吉村家』を祖とする豚骨醤油ラーメンの一種。より具体的には、ア.トッピングに、チャーシュー・海苔(デフォルトで3枚)・ほうれん草を使用すること、イ.鶏油(チーユ)をスープに注ぐこと、ウ.コシが強い中太~太ストレート麺を用いること。これらの3点を満たすことが「横浜家系ラーメン」の成立要件だ。また、多くの店舗では屋号に「家」の字を使用しており、それが「家系」の名の由来となっている。(少々詳しく説明してみました(笑))『谷瀬家』は、そんな「家系」の中でも本格派として名を馳せる『武蔵家』グループの各店舗で研鑽を重ねた店主が、修業元からの免許皆伝を受けて開業した『武蔵家』の直営店。営業時間は11時から25時までと長く、しかも年中無休。霞が関に勤務する方々にとっては感涙ものの営業形態だ。同店の基本メニューは「らーめん」。家系店舗のお約束である「麺の硬さ」「スープの味の濃さ」「油の分量」のカスタマイズシステムは、こちらでも健在。麺は、家系の王道『酒井製麺』の中太ストレート。同製麺所は元々うどんの製麺所であり、「柔らかめ」を指定すれば、モッチリとした麺の食感を存分に堪能することができるだろう。スープは、豚骨をじっくりと丁寧に炊いた乳化出汁と、一滴で頬を緩ませる甘辛い醤油ダレとを、絶妙なさじ加減で掛け合わせた逸品。食べ進めるほどに体感的なうま味が果てしなく増幅していくサマは、圧巻のひと言に尽きる。サービス面においても、近隣の同系店舗とは一線を画する。無料サービスで「ライス」をオーダーすることが可能。しかも、お代わりが自由だ。ライスに卓上トッピングの「キューちゃん漬け」を載せ、麺を食べた後のスープをぶっ掛け、レンゲで豪快にライスを掻き込む。『武蔵家』の系列店だからこそ味わえる、至福のひと時だ。プロフィールラーメン探究家 かずあっきぃ(田中 一明)1972年11月生まれ。学生時代に出逢った1杯のラーメンに感銘を受け、1995年より本格的な食べ歩きに着手。「ラーメンの魅力の探究」をライフワークとし、年間700杯以上のラーメンをコンスタントに実食。総食杯数は12,000杯を超える。日本全国のラーメン事情に通暁し、各種媒体にラーメン情報を精力的に発信。86 ファイナンス 2018 Jul.かずあっきぃのラーメン探訪記連 載 ■ かずあっきぃのラーメン探訪記
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