ファイナンス 2018年7月号 Vol.54 No.4

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コラム　海外経済の潮流112大臣官房総合政策課 海外経済調査係　井山 まりなスペインの経済政策～欧州債務危機への対応を中心に～スペインは欧州債務危機の深刻化等を背景に一時はマイナス成長に陥ったものの、2013年末より経済が回復し【図表1】、最近では欧州主要国のなかでも相対的に高い成長を維持している【図表2】。そこで本稿では、スペイン経済が低迷する中でとられた各種改革策について取り上げたい。まず財政面については、2011年末以降、数次にわたり財政再建策が打ち出され、付加価値税（VAT）の引上げ（18％→21％）や失業給付の減額、省庁予算の8.9％削減等が盛り込まれた。また、自治州の独立性の高さが財政悪化の一因とされたことから、2012年5月に成立した予算安定法において、中央政府による自治州への監督が強化された。同法では、財政赤字目標を順守しない自治州に専門チームを派遣し、強制【図表1】スペインの実質GDP成長率▲8▲6▲4▲2024681011121314151617201320142015201620172018（前期比年率、％）四半期暦年（出典）Eurostat個人消費総固定資本形成在庫投資政府支出純輸出実質GDP4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q4Q3Q2Q1Q1Q【図表2】欧州主要国の実質GDP成長率（暦年は前年比、四半期は前期比年率、％）実績（暦年）見通し（暦年）実績（四半期）201420152016201720182019201720182Q3Q4Q1Qユーロ圏1.42.01.82.52.42.02.92.82.71.6ドイツ1.91.51.92.52.52.02.63.02.41.2フランス1.01.01.12.32.12.02.62.72.90.7イタリア0.20.81.01.61.51.11.61.41.41.1スペイン1.43.43.33.12.82.23.52.82.72.8英国3.12.31.91.81.61.51.01.91.60.4（注）見通しはIMF WEO（18年4月）（出典）Eurostat、各国政府統計局、IMF84 ファイナンス　2018 Jul.連 載 ■ 海外経済の潮流