ファイナンス 2018年7月号 Vol.54 No.4
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何度も同じ方と出会います。診療所で昼過ぎに看護師にお話を伺った後、しおかぜ留学(小中学生を対象とした離島留学)の生徒が馬とふれあう場に夕方訪問したところ、みたことある指導者だなあと思ったら、先ほどお会いした看護師の方でした!北にあるのに温暖で、9月半ばまで海水浴が可能な地域。真鯛などの魚介類郷土料理の代表は「わっぱ煮」です。もともとは漁の合間に磯に上がり食べていた漁師の料理です。わっぱという杉の器に真っ赤に焼けた石を入れ魚や野菜を煮立て、そのまま提供されます。味噌汁と呼ぶにはもったいない贅沢さ。一度食べたら忘れられない美味しい味だと思います。各地との交流の歴史離島といっても、古くから各地と交流がありました。5000年ほど前から人が住み、その後アイヌ人が住み着いたと言われています。カムラ(カムイ(神)の浦)、トマリ(アイヌ語で港)といった地名が残っています。粟島の由来は粟のように小さな島だからと言われていますが、アイヌ語でアウシ(横たわる)シウマ(岩)だからとの説もあるそうです。また、先ほど名字で触れましたが、松浦氏は9世紀初めに北九州から、その半世紀後に本保氏が越前からやってきて住み着いたそうです。粟島浦村の村長も議長も本保さんです。中世では、太陽の沈む島である粟島を極楽浄土に近い島と捉え、梵字を刻んだ板碑を島に建てたそうです。私はその板碑のあるすぐ横の民宿に泊まりました。高齢化率は40%超え、土地が限られ付加価値が高い産業がない、高校がなく島の若者が戻ってこないなど課題はいっぱいありますが、相当な年齢なのに漁業や民宿で元気に活動したり、島外から移住して楽しそうな人々をみると、人口が少ないってデメリットばかりじゃないな、一人ひとりの存在感が大きいんだなあ、ここは確かに極楽浄土だ、と民宿から見える夜空を見ながら思いを巡らしました。どうやって粟島に関わるの?福岡や福井の方以外も、ぜひhttps://awa-isle.jp/ 0254-55-2146(観光協会)にコンタクトしてみて下さい! HPにあるガイドブックは読みやすさもデザインも素晴らしいなあと思います。新潟県村上市の岩船港から北西35kmに位置。高速船で55分、港までは村上駅からタクシー15分。東京駅からは、ファイナンス4月号で書いたとおり新潟駅で上越新幹線から特急いなほに同一ホームで乗り換えが可能になりましたので、ストレスなく3時間で村上駅にアクセスできます。熱々がたまらない「わっぱ煮」日本海に囲まれた雄大な自然 ファイナンス 2018 Jul.65ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連 載 ■ ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?
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