ファイナンス 2018年7月号 Vol.54 No.4
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「地方創生人材支援制度」は、地方創生に積極的に取り組む自治体(原則人口5万人以下)に対し、国家公務員や大学研究者、民間人材を、市町村長の補佐役として自治体に派遣する制度です*1。本連載では、2016年度から2017年度に財務省から各地に派遣された7名から、現地の概況や地方創生の取組について紹介します。*1) まち・ひと・しごと創生本部地方創生人材支援制度HP https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/jinzai-shien/index.html地方創生の現場から【第3回】産業振興と地域資源による「京都城陽」の地方創生の取り組み 城陽市まちづくり活性部 産業政策監 高原 俊之1 城陽市について(1)概要城陽市は、京都府南部・山城地域12市町村の中部に位置し、宇治市の南、京田辺市や八幡市などと接するまちです(図表1-1-1)。京都と奈良のほぼ中間に位置し、双方から5里(約20km)にあることから、「五里五里のさと」と呼ばれています。戦後1951年に旧4村が合併して「城陽町」となった後、1972年5月の市制施行により周辺3町が合併して「城陽市」となり、昨年、市政45周年を迎えました。本市は、京都及び大阪方面への通勤・通学圏という良好な立地に恵まれ、ベットタウンとして1960年代から急速に発展し、1965年には2万人強であった総人口は1995年には85,398人にまで増加しましたが、バブル崩壊後は減少の一途をたどり、2018年4月時点では75,421人となっています。市域は、東西9.0km、南北5.4kmの32.71km2とコンパクトでありながらも、西部には南北に木津川が流れ、東部には丘陵・山地・砂利採取跡地が、南東部には森林や渓谷などが広がっており、変化に富んだ地形となっています。狭小な市域の中に、JR(奈良線)及び近鉄(京都線)の駅が3つずつ存在し、良好な交通利便性も相まって、現在も京都・大阪方面へのベットタウンであり、それを示す一つの指標である昼夜間人口比率は82.7%(2015年国勢調査)と、京都府下市町村と比較してもかなり低水準です。このような中、2023年度の新名神高速道路の全線開通や、今後土地利用を開始予定の本市東部の丘陵地へのアウトレットモールの進出等を中心とした大規模な開発プロジェクトが予定されており、本市では、これらの開発インパクトを活かし、交流人口及び定住人図表1-1-1 城陽市の位置図じょうりんちゃんはまぽん・かまワンちゃん34 ファイナンス 2018 Jul.
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