ファイナンス 2018年6月号 Vol.54 No.3
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らスーパーまで歩いていく。精肉売り場で昨日の売れ残りらしい和牛が安い。今晩は奮発してしゃぶしゃぶにしよう。鮮魚売り場では鯛のサクが安い。カルパッチョ仕立てにするかな。もう一品何にしようか。おからの真空パックを手に取ったら、袋の裏に「おからのポテトサラダ風」のレシピが載っていた。パサつき感がありそうな気もするが、芋を茹でたりつぶしたりする手間がいらないのと、ローカロリーなのは魅力的である。これにしよう。家に戻って、ハムときゅうりのサンドウィッチでブランチ。食後にグレープフルーツ1個。コーヒー2杯とクッキー3枚。ここでもう一度ジムに行こうか迷ったが、ついつい億劫になって、今日ジムに行くと連休明けに筋肉痛が出るからと自分に言い訳する。結局ソファーで寝転んで「悪道」(森村誠一著、講談社文庫)を読み始める。五代将軍綱吉が急死して、柳沢吉保等が影武者を代役に立てる。その真相を知る伊賀者や美人女医たちを暗殺すべく公儀隠密猿蓑衆が差し向けられるが、逃避行の中で出会った異能の仲間たちの協力で切り抜ける。襲いかかる刺客たちは全滅するが、仲間は誰も死なないというのは、時代小説ならではのご愛嬌だが、やっぱり時代小説はいい。と言いつつ、いつのまにか微睡む。ぐうたらに過ごすうちに夕食の準備の時刻となる。といっても、おからのポテサラ風はすぐに完成。鯛のカルパッチョも、鯛を薄く切ってレタスと一緒に皿に盛って、あとはレモンをきかせたドレッシングを作るだけ。しゃぶしゃぶも野菜を切るだけ。主食も饂飩にするので、飯も炊かなくてよし。さあ、夕食はさっと済ませて、「悪道」の続きを読むぞ。将軍としての天命に目覚めた影武者と柳沢吉保の対決を早く読みたい。結末がおおよそ見えていて安心して読み進められるところが、時代小説のいいところだ。やはり私には岩波新書より文庫本の時代小説の方が向いているようだ。〈材料〉 おから1パック(真空パックの加熱殺菌済みで、250グラム程度のもの。普通のおからの場合は、ラップをかけずに3分ほど電子レンジにかけて水気を飛ばしておく)、きゅうり1本(小口切りにし、塩もみして水気を絞る)、玉ねぎ半個(極薄くスライスして水にさらした上で、水気を切る。)、ハム数枚(2ミリ×10ミリぐらいに切る)、ツナ缶1(ノンオイルのものがよい、汁を切る)、マヨネーズ適量(目安としては大匙8ぐらい)、ヨーグルト大匙3(無糖のもの)、ポン酢大匙1、酢大匙1、胡椒適量(1)ボウルに材料を入れ、よく混ぜる。(2)味見をして、塩、砂糖、酢、マヨネーズで味を調える。 * おからの袋のレシピでは、少量の牛乳と蟹風味かまぼことを加えることが推奨されていたが、牛乳はあまり好きでないので、プレーンヨーグルトを少し多めにしてパサつきを抑えた。ポテトサラダに蟹かまを入れるのは(理由はないが)気が進まなかったので、使わなかった。彩りを気にする向きは、人参かラディッシュを入れるとよい。** 上記のレシピでパサつき感はあまりないと思うが、水切りした木綿豆腐半丁程度を崩し入れるとより滑らかな感じになるのではないかと思う。おからのポテトサラダ風のレシピ(4人分) ファイナンス 2018 Jun.83新々 私の週末料理日記 その22連 載 ■ 私の週末料理日記

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