ファイナンス 2018年6月号 Vol.54 No.3
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通法規は、日本人が郷(カンボジア)に入り、郷に従うと危ないものです。やみくもに郷に従えば良いというものではなく、微妙な言い方ですが、カンボジアで赤信号を無視してくるバイクを注意しつつ、青信号の横断歩道を渡る方法にはコツがあります。一定の速度で歩き、危険を感じたまま、近づいてくる車、バイクの運転手の目を見てプレッシャーをかけつつ、道路をゆっくり渡るのです。そうすると相手のバイクからこちらを避けて走り去ってくれます。これが郷に入った真の方法です。Q4. トゥクトゥク(3輪タクシー)は値段交渉が必要でしょうか? また、英語は通じるのでしょうか?A4.トゥクトゥクドライバーは基本的に英語が話せません。このため簡単なクメール語が必要ですが、プノンペンでは2016年頃より配車アプリが普及していて、アプリでトゥクトゥクや車を呼び、目的地までアプリで誘導し、メータで精算するため、クメール語や値段交渉も必要なくなりました。Q5.学校制度はどうなっていますか?A5.小中高は6・3・3制となっており、中学校までは義務教育で、月曜日から土曜日まで授業があります。なお、学校や教員の数が不足しているため、午前・午後の2部制になっています。このため、午前中に小学生が街をうろうろしている姿もよく見かけます。就学率(2015年)は、小学校87%、中学校44%、高校22%と非常に低くなっています。Q6.教育費はどのくらいかかりますか?A6.2015年の国家統計局によると、年間教育費は、小学校142ドル、中学校219ドル、高校380ドル、専門学校604ドル、大学/大学院1048ドルです。但し、日本人子女がよく行く国際バカロレア資格のある私立学校の場合、年間20,000ドル前後必要です。15-24歳の教育レベルを見ると無教育6%、小学校中退24%、小学校卒業38%、中学校卒業18%、高校卒業9%、大学以上卒業6%となっています。Q7.戸籍や住民票はあるのでしょうか?A7.日本の戸籍・住民票に似た「ファミリーブック」や「イエローシート」というものがありますが、出生登録されていなかったり、クメール・ルージュによって全て廃棄され、その後改めて作成されたりしたため、真の生年月日と国に登録されている生年月日は異なる人が多いようです。つまり、再登録する際、私の知人の場合、学校入学時に生年月日が必要であったものの不明のため、学校の先生が決めたそうです。また、別の知人は、実際に10歳年の離れている兄弟の年齢差がなぜか登録上は2日らしいのです。通常は問題になりませんが2人並んだ場合、当然ですが、常に疑問視されるようです。Q8.平均余命は何歳ですか?A8.男67歳、女71歳です(国家統計局(2015年))。クメール・ルージュによって60歳以上の人口が極めて少ないのもカンボジアの特殊要因でしょう。Q9.カンボジアの結婚式はどんな感じですか?A9.日本の結婚式とは全く異なります。乾季である11~5月頃がウェディングシーズンで、一般的には2日間くらい行われます。簡単に言うと、式次第などは全くなく、披露宴開始時間から1~2時間遅れて会場に到着するのが通例で、配席図もなく、空いている丸テーブルの席を見つけて座って、席が全て埋まれば食事とアルコールが運ばれ、その後は飲んで食って、食べ終わったら次の人へ席を空けるために、ご帰宅! 帰り際に、招待状に同封されている「ご祝儀」袋に現金を入れ、ボックスに投函しておしまいという感じです。私も租税総局の友人の結婚式に数回出席しましたが、その時の招待客数はなんと3,000人位おり、いわば飲み会でした。Q10.カンボジアのお葬式はどんな感じですか?A10.自宅で行うケースが多く、原則として自宅前の公共道路を封鎖して葬儀を行います。地位が高くなればなるほど、大規模になりますが、特に政府高官の場合は凄まじいものがあります。2017年3月16日、元副首相のソック・アン氏が亡くなられた時は、葬儀のために約2週間、 ファイナンス 2018 Jun.77海外ウォッチャーFOREIGN WATCHER連 載 ■ 海外ウォッチャー

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