ファイナンス 2018年6月号 Vol.54 No.3
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GAPに関するセミナーの経費を計上し、地域金融機関と連携して、農業関係者にGAPの啓発を進めるとともに、先進的な農業者のGAP認証の取得に向けた支援を行っていくこととなりました。政策コンテスト最終発表エ.シティプロモーション湖南市は住みやすいという市民は多いのですが、魅力について聞かれるとうまく答えられない人が多いのが実情です。市の人口が今後減ってくると予想される中、これからもこの地域で住み続けたい、この地域に戻ってきたいと思ってもらうためには、市民が市の魅力を理解し、市内・市外に魅力を伝えていくことが重要となってきます。そこで、シティプロモーションの専門家を招いた講演会を本年4月に開催するとともに、「魅力発信プロジェクト」を立ち上げ、市民・職員有志のメンバーを募集しました。市に想いのある市民9名、市職員19名の応募があり、現在、講演会で学んだシティプロモーションの手法をベースとして、湖南市の魅力を掘り起こし魅力を発信するためのブランドメッセージ策定に向けた議論を進めております。プロジェクトの議論をもとに、今後予定されているホームページのリニューアルなどを通じて市の魅力発信を進めていくことで、「住み続けたい」「住みたい」湖南市をつくっていきたいと考えております。オ.クラウドファンディング今後の人口減少・少子高齢化を見据えると、行政が提供できるサービスには限界があり、市民による主体的な地域づくり活動が重要となってきます。こうした観点から、2018年度から市民活動を支援するため新たな資金調達手段であるクラウドファンディングを活用した「市民活動プロジェクト応援ファンド」を立ち上げました。クラウドファンディングに関心を持っている活動団体や個人は多いものの、クラウドファンディングの成功のためには多くの人が寄付したくなるようなストーリーや写真の見せ方が重要となるため、初心者にはハードルが高い一面もあります。このため、地方創生推進交付金を活用し、元広告マンで実績のある地域の専門家を招へいし、市民活動の取組の発掘やクラウドファンディング成功に向けた支援を行うこととしております。「市民プロジェクト応援ファンド」は本年4月から募集を開始しましたが、すでに数件の相談があり、市と協働してクラウドファンディングの実施に向けた準備を進めています。クラウドファンディングで集めた資金を地域活性化や地域課題の解決につながるような市民活動に活用することにより住みよいまちの実現を支援していきたいと考えております。また、市民活動を通して地域の魅力を再認識してもらい、地域への愛着・誇りを醸成することにより定住促進につなげていければと考えております。3 今後の展開「地方創生」というと、離島や中山間地域などをイメージする方が多いと思います。湖南市に赴任して感じたのは、都会でもない田舎でもない普通のまちで、現在のところ人口もそれほど減少しておらず、市民の危機感もそれほどないということです。しかしながら、将来の人口減少、少子高齢化が確実に見込まれる中で、行政任せでなく市民主体のまちづくりが重要になってくるため、先に述べたような市民を巻き込んだ取組を進めてきております。今後、こうした取組により、住みやすいまちを実現し、市民が地域への愛着・誇りを持つことにより定住につなげていきたいと考えております。魅力発信プロジェクト会合56 ファイナンス 2018 Jun.地方創生の現場から【第2回】

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