ファイナンス 2018年6月号 Vol.54 No.3
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事務局にはワイナリー設立やぶどう栽培希望の相談が絶えない状況です。初期の相談者は既に自らの園地で初収穫を終え、委託醸造ですが自らのぶどうのファーストヴィンテージを発売するなど、ワイナリー設置の夢に向かってまい進しているところです。また、市内全域のワイン用ぶどう栽培面積は2017年度末には48ヘクタールとなり、プロジェクト開始からおよそ11ヘクタールも増加しました。ha303540455055実績41.42実績36.87実績47.63目標49.32目標50.12目標51.92実績44.742020201920182017201620152014ワインぶどう栽培面積は順調に増加中・かみのやまテロワール「かみのやまでしか手に入らない」をキーワードにプロジェクトのメンバーが結集して開発を始めたオリジナルワイン「かみのやまテロワール」は市民のワインの地位確立を目指して昨年6月3日にリリース。飛ぶような売れ行きで現在ではほぼ完売となりました。引き続きオリジナルワイン第2弾「かみのやまテロワール2017」を開発中です。今回は2018年11月に発売予定となっています。・ワインツーリズムやまがた2018また、プロジェクトで講師としてお迎えしたワインツーリズム®やまなしを主催されている一般社団法人ワインツーリズムのお力添えにより、やまがたワインバル実行委員会が主催して、隣の南陽市と連携し、ワインツーリズムも始まろうとしています。このように、上山がワインとともに前へ進んでいくエネルギーを、ひしひしと毎日のように感じています、と、まるで他人ごとのように評価できるのも、酒類の専門家集団を抱える財務省(国税庁)からの出向者なのでワインを身近に感じることができ、また、本派遣制度によって出向したよそ者のメリットだと思っています。(4)今後の展開驚いているのは、このプロジェクトには、よそ者を巻き込み、一緒に走っていくパワーと度量があるということです。まちおこしや地方創生といったものが前に進むためには、様々な立場や背景の方々を広く巻き込み一丸となって取り組むことが必要ですが、上山にはそれだけの人材やエネルギーに満ちあふれています。ただし、ワイン用ぶどうは栽培始めから経済樹齢に達するまで5年以上はかかるほか、収穫したぶどうでひとたびワイン仕込みを始めても、熟成すれば蔵出しまで数年はかかってしまい、このプロジェクトは一気呵成には完成しない取組みであります。だからこそ、火が消えてしまわないように、市一丸となって着実にワインの郷づくりに取り組んでいるところです。そして、皆さんから刺激を受け、時に刺激し、前を向いて、かみのやまワインを推し、上山を全国に発信していきたいです。 ファイナンス 2018 Jun.53地方創生の現場から【第2回】

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