ファイナンス 2018年6月号 Vol.54 No.3
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超精密CFP工法で生産性向上を実現する地下工場を視察株式会社サイベックコーポレーション車座ふるさとトークの後、長峯大臣政務官は、塩尻市のものづくり企業である株式会社サイベックコーポレーションを訪れた。木のぬくもりのある本社事務所にて、平林巧造代表取締役社長と白井靖信専務取締役より事業概況の説明を受けた。また、平林社長の説明で地下工場を視察した。同社は、1973年に平林社長の父である平林健吾氏が起業。自社で超精密部品の金型の開発・設計・製作を行ってプレスを行う一貫したものづくりを行っている。当初は弱電製品を扱っていたが、メーカーが製造を海外にシフトする中で、何とか日本の地でものづくりをするために、先代は自動車分野にシフトすることを決め、今は自動車向けを中心とした製品を国内のみならず、海外(売上の17%程度)にも提供している。強みは、「CFP工法」と呼ばれるもので、他社と差別化を図っているプレス技術。CFPとは「Cold Forging Progressive」の略であり、「冷間鍛造順送」と呼ばれるもので、厚い金属素材を立体的に作る技術と、薄い金属に穴を開ける技術を組み合わせた複合技術である。「順送」により、順々にものが送られながらプレス加工されていくもので、従来であれば機械加工でなければできなかった部品が、同社は板材から鍛造とプレスで作成することができる。そのため、機械加工であれば1つ作るのに何分、順送であれば何秒で作れるので、ハイスピードでの生産が可能となる、量産向けの加工技術である。今後の事業展開については、近年の超高齢化社会を見据えて環境対応車や介護福祉機器などのユニットがマーケットとして拡大していくのではないかと考えており、モーターがあらゆる場面で使われるようになってきているので、モーターに使われている「減速機」に着目している。減速機はほとんどが機械加工によっ会社概要会社設立1973年(昭和48年)所 在 地長野県塩尻市資 本 金8000万円代 表 者平林 巧造従業員数85名(2018年4月)売   上25億円(2017年3月期)事業内容自動車部品等の超精密金型の 開発・設計・製作及びプレス加工主要取引先デンソー、アイシン精機、 シチズングループ、Multimatic概況説明の様子(本社事務所にて) ファイナンス 2018 Jun.9長峯大臣政務官が訪問車座ふるさとトーク at 信州大学特集

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