ファイナンス 2018年6月号 Vol.54 No.3
11/96

ため、国の負担が軽減する方向に向かうのではないか、という意見があった。[長峯大臣政務官から]医療費削減に関して、今から取り組もうとしているのは、費用対効果です。この方にこの治療をやったら、どのくらい健康な期間が延びるのか、どのくらい寿命が延びるのか。例えば、1億円の治療をやって1か月生存期間が延びましたというものをどう判断するかですね。100万円の治療をしたら5年間延びました。これは費用対効果がいいですね。費用対効果が見込まれないような治療を保険で見ていくのかということをしっかり検討していきたいと思っています。その他には、湿布のように市販で手に入る薬が病院で処方されれば保険適用で安く手に入るといった現状を見直すことの議論が進んでいるところです。また、健康寿命を延ばすことについてですが、医療費をこれだけ削減できると断言できる実証研究は今のところありません。一方、健康寿命が延びると働ける時間が長くなり、経済成長にも大変意義があります。個人個人の幸せという観点からも、日本国全体という観点からも、健康寿命を延ばそうということは間違いありません。高齢者人口がある時点から減ることについて、それは事実です。しかし、支えられる人が減っても、支える人がそれ以上に減っていくため、社会保障が楽になるということではなく、これからも色々な改革をしておかなければならないと考えています。社会保障 医療費等の高齢者の 自己負担割合の引き上げについて国民健康保険や後期高齢者医療制度では、低所得者に対する保険料軽減措置の対象拡大などもあるが、社会保障の歳出を減らすために、高齢者の中でも高所得者は自己負担を3割のままにすることは考えているか、また、今後、団塊の世代が75歳以上となると、後期高齢者の医療費や介護費のさらなる増加が見込まれるが、自己負担割合の引き上げは検討しているのか、といった質問があった。[長峯大臣政務官から]後期高齢者医療や介護保険の自己負担については、年金と同様に、年齢で輪切りにするのではなく、お金に余裕がある方には我慢していただこうということになるのですが、その際、所得だけでみるのではなく、金融資産も含めた負担能力でみることも考えていく必要があるのではないでしょうか。その他 法人税の引き上げについて法人税について、景気の動向に左右されやすいという影響ですが、今は経済がよくなっているということで、法人税を上げるという考え方はないのか。[長峯大臣政務官から]実はこのあいだ、法人税を下げたばかりで、今の政策は、法人税を下げて企業が日本国内で活動しやすい ファイナンス 2018 Jun.7長峯大臣政務官が訪問車座ふるさとトーク at 信州大学特集

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る