ファイナンス 2018年5月号 Vol.54 No.2
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が特徴で、馬蹄状に5~6束盛り付けられるのが一般的です。神社への参拝だけでなく、美味しいおそば屋さんを目指して戸隠を訪れる方も多いようです。4ソウルフード「おやき」長野を代表する郷土食のひとつにおやきがあります。小麦粉・蕎麦粉などを練って薄くのばした皮に具を包んだものですが、具の種類(野菜、山菜、あんこなど)、調理法(焼くだけでなく、蒸かす、揚げるなど、焼いてない「おやき」もあります)などにより、いくつものバリエーションがあります。数多くのおやき専門店があり、観光客にも人気ですが、もともとは家庭食です。スーパーやコンビニエンスストアはもちろん、観光客が立ち寄らないような金物店の店先でも売られており、まさに地元に根付いたソウルフードです。長野にお越しの際には、さまざまなおやきを探しにお店を巡るのもよいでしょう。5テロワールを活かした「ワイン・シードル」雨が少ない、日照時間が長い、昼夜の温度差が大きいという長野の気候は果樹の栽培に適しており、さまざまな果物が作られていますが、代表的なものの一つにぶどうがあります。生産量全国1位の巨峰を始め、長野生まれのシャインマスカットやナガノパープルなど、食用のぶどうも多く栽培され好評を得ていますが、ワイン用のぶどうの栽培も盛んであり、その生産量は全国1位です。当然ながらワイナリーも数多くあります。大手や歴史のあるワイナリーに加えて、ブティックワイナリーといわれる小規模経営のワイナリーが次々と誕生しており、それぞれが長野のテロワール(土壌や風土)を活かした個性的なワインを造っています。近年、品質向上の著しい日本ワイン(国産ぶどうのみを原料として国内で製造されたワイン)の評価が高まっていますが、長野のワインにも魅力的なものがいっぱいあります。これまで「日本のワインは…」ということで、フランスやイタリアなど海外のワインばかり飲んでいた方も、一度味わっていただければ、その認識を新たにすることと思います。長野はりんごの名産地でもあります。りんごの王様といわれるふじ(袋をかけないで栽培するとサンふじという名称になります)のほか、長野生まれのシナノゴールド、シナノスイートといった品種が人気ですが、ぶどうと同様、りんごも食べるだけではありません。最近では、特産のりんごを発酵させて造る発泡性のお酒、シードルが注目を集めています。シードルはワインと比べてアルコール度数が低めで口当たりがフルーティなので、お酒があまり得意でない方でも飲みやすいと思います。また、りんごの旨みが感じられる自然な味わいは、意外と食事にも合うものです。長野ではさまざまなメーカーがシードルを造っていますので、いろいろ飲み比べてみると、きっとお気に入りが見つかると思います。6おわりに「遠くとも」といわれていたのは昔の話、今では東京から新幹線で1時間半程度、長野は交通の便がよいところになりました。今回ご紹介したもの以外にも、まだまだ多くの素晴らしいところ、美味しいものがありますので、「一度は詣れ」長野へ!おやきりんごぶどう畑64 ファイナンス 2018 May連 載 ■ 各地の話題

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