ファイナンス 2018年5月号 Vol.54 No.2
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がれています。最大の特徴は、江戸「天下祭」を今に再現した山車行事であり、精巧な人形を乗せた絢爛豪華な山車が、小江戸川越の象徴である蔵造りの町並みを中心に曳えい行こうされます。平成28年12月に「川越氷川祭の山車行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。5高こ麗ま神社(日高市)高句麗からの渡来人・高こまのこきし麗王若じゃっ光こうを祀る神社。霊亀2(716)年、神社一帯に高麗郡が置かれ、郡の長官となった若光の没後、その遺徳を偲んで建てられました。浜口雄幸、若槻禮次郎、斉藤実、小磯国昭、幣原喜重郎、鳩山一郎らが、参拝後相次いで総理大臣となったことから「出世明神」として広く知られています。現在は年間約40万人の参拝があり、梅や桜の名所としても知られています。昨年9月20日には、天皇皇后両陛下が参拝されました。6巾きん着ちゃく田だ(日高市)高麗川の蛇行で形成され、その形がちょうど巾着の形に似ていることから「きんちゃくだ」と呼ばれています。この巾着型の土地を開拓して田畑を作ったのは、高麗氏族を中心とした渡来人だといわれています。約22haの川に囲まれた平地は四季を通して花の美しいところです。特に秋の彼岸時期に咲く曼珠沙華が有名で、昨年天皇皇后両陛下もご覧となった群生地(巾着田曼珠沙華公園)は日本一のスケールを誇ります。7越おごせ生梅林(越生町)関東3大梅林に数えられる越生梅林は、梅うめ園その神社に九州太宰府天満宮を分祀した際、菅原道真公にちなんで梅を植えたことが起源とされています。約2haの園内には、650年以上前に植えられた古木をはじめ、白加賀・越生野梅・紅梅など約1,000本あります。2月中旬~3月下旬には梅まつりが開催され、大勢の観梅客でにぎわっています。関東有数の梅の産地であり、梅干しは添加物を使用せず、塩だけで漬け込んだ昔ながらの製法が主流です。8特産物(管内)川越は、江戸時代から「九里四里(栗より)うまい十三里(川越いもの別称。九里+四里=十三里)」と言われるさつまいも(主力品種は「紅赤(金時)」)の名産地であり、現在は、アイスやドーナツ、ビール、煎餅などの加工品が作られており、多くのお店で、お土産品として販売されています。毛も呂ろ山やま町まちの桂かつら木きゆずは、香りと品質の良さから高い人気があり、各地へ出荷されています。9おわりに今回、ご紹介できたのはほんの一部で、管内には喜多院、菓子屋横丁などまだまだ多くの名所・旧跡が存在しており、見所満載です。また、川越市の霞ヶ関カンツリー倶楽部は、2020年に開催される東京オリンピックのゴルフ競技会場となっており、新たな歴史が生まれようとしています。都心からほんの少し足を伸ばすだけで、古き良き日本の伝統や文化が味わえる小江戸川越。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。【写真提供:川越市役所観光課、日高市役所産業振興課、越生町役場産業観光課】高麗神社巾着田曼珠沙華公園越生梅林62 ファイナンス 2018 May連 載 ■ 各地の話題

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