ファイナンス 2018年5月号 Vol.54 No.2
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まぜそばぶんか赤あか坂さか本ほん店てん【溜池山王】溜池山王のオフィス街に「まぜそば専門店」が爆誕!手掛ける1杯は、こだわりの塊ロケーションは、メトロ溜池山王駅と同虎ノ門駅の中間地点よりも、やや溜池山王駅寄り。足を運ばれる際には、「赤坂インターシティAIR(2017年9月open)」が絶好のランドマークとなるだろう。こちらの一帯は、近隣の霞が関や虎ノ門で勤務する方々にとっては周知の事実かも知れないが、これまで、めぼしいラーメン店が殆ど存在しなかった、いわゆる「ラーメン空白地帯」。そんな空白地帯に楔を打ち込むかのように、2018年1月10日、今回ご紹介する『まぜそばぶんか』が誕生。このエリアであれば、平日のランチタイムに、霞ヶ関や虎ノ門からアクセスを試みることも、決して不可能ではないだろう。同店は、スープを用いない、いわゆる「スープOFF」ラーメンである「まぜそば」のみを提供する専門店。「担々まぜそば」「ベジまぜそば」等のレギュラーメニュー、「カレーまぜそば」等の限定メニューも用意するが、ここで敢えて強くオススメしたいのが、「ベーシックぶんか」。タレ&麺に、ネギ・モヤシなど必要最小限のトッピングだけを添えた、まさにベーシックの名に相応しい一品だ。味は、まさに格別のひと言。魚介醤油ベースの甘辛いタレは、素材本来のうま味が一滴一滴にまで凝縮された、後を引く味わい。このタレに、都内の名門製麺所『浅草開化楼』に特注した太縮れ麺を合わせ、シンプル・イズ・ベストを余すところなく体現。「まぜそば」の味の善し悪しを左右する鍵となる「油」にも、妥協は一切ない。植物油のみを用いることで、重々しさとは無縁の軽妙な食べ口を演出。同店は「まぜそばを健康的にもっと美味しく」というコンセプトを掲げるが、植物油の使用は、そのコンセプトにも沿うものだ。麺を食べ終わった後の「締め」として、全ての麺メニューに「本日のごはん」と「スープ」が無料で提供されるサービスも、炭水化物愛好者にとっては万歳三唱もの。丼に残ったタレと魚介スープとが極上の化学反応を惹起し、米粒のうま味と甘みを一層際立たせる役割を全う。麺と米とが別腹であることを思い知らされる。同店があるビルの1階には、フラワーショップ『サジテール』が入居。『ぶんか』は同ショップが経営しているのだが、木目の温かな質感が映えるインテリアを随所に配するなど、幅広い客層からの支持が得られそうな雰囲気づくりに、生花店らしい細やかさが垣間見えた。「味良し、サービス良し、雰囲気良し」。三拍子が揃った同店に、足を運ばないという選択肢は残されていないだろう。プロフィールラーメン探究家 かずあっきぃ(田中 一明)1972年11月生まれ。学生時代に出逢った1杯のラーメンに感銘を受け、1995年より本格的な食べ歩きに着手。「ラーメンの魅力の探究」をライフワークとし、年間700杯以上のラーメンをコンスタントに実食。総食杯数は12,000杯を超える。日本全国のラーメン事情に通暁し、各種媒体にラーメン情報を精力的に発信。 ファイナンス 2018 May49かずあっきぃのラーメン探訪記連 載 ■ かずあっきぃのラーメン探訪記

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