ファイナンス 2018年5月号 Vol.54 No.2
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輝きました。そのコンテンツの一つとして、雪国の古民家をリノベーションした宿で、雪国ならではの食材を使った料理や地酒を味わうという雪国ガストロノミーが盛り込まれています。雪国観光圏が1位となった総選挙http://undiscovered-japan.com/2017jp/しかし、ブランド化して実際に内外の旅行客に人気が定着するのは簡単ではありませんし、時間がかかります。多くの関係者が人口減少の状況やインバウンドの状況はなんとなくわかっていても、目の前のお客様はいるし、各地のイベントはあるし、旅館や施設も現実問題として基本的に日本人仕様です。シナリオ・ストーリーを描けても、それを個々のサービス提供者がうまく伝えられるか(※)、という課題もあります。JRのデスティネーションキャンペーン(DC)を活用した取り組み、どう転がっていくか、今年秋のプレDC、本番の来年秋も、それ以降も関心をもってフォロー頂けると幸いです。※ この冬、ガストロノミーを体験してきました。ストーリーの重要性を体感するため、経営者の判断であえて新人の従業員に説明してもらったところ、ある一品で、四季を表現したプレートです、という説明。うーん、それだと東京でも一緒だなあと思ったところ、経営者の補足説明で、実際は、冬になかなか野菜が採れない雪深い地域では、春、夏、秋に採れた食材を冬の食事として生活してきた歴史があり、雪室に保存して旨みや甘みを凝縮し、それを季節の素材ごとに調理した3品を同じ皿で提供し、結果的に四季を味わえる一皿とのこと(もっとグッとくる説明でした)。雪深いからこそ、他の季節も引き立ち、冬に四季を感じられる。やりがいのある取り組みです。2018年はNiigata & Yamagata!?「たびきち」という新潟県と山形県庄内の地域観光SNSポータルサイト、4月から運用を始めました。フォトジェニックという視点で大胆にいろんなライターが紹介していて、見応えがあります。http://www.tabi-kichi.jp/先月触れました、50~60種類という世界一のクラゲ飼育展示数を誇る山形県鶴岡市の加茂水族館。この写真と記事を読んでると、行きたくてたまらなくなります。さらに、国内最大級の外国人向け日本情報サイト「ガイジンポット(GaijinPot)」を運営するジープラスメディアが発表した2018年に外国人が訪れるべき日本の観光資源ランキング「Top 10 Japan Travel Destinations For 2018」のベスト10に、新潟県と山形県が入りました(1位新潟県、2位別府市、3位屋久島…10位山形県)。外国人ライターと今年のイベント等をもとに選んだとのことです。知られてない割にはいい、という側面が強いとは思います(「島」と一緒に並んでますし)が、引き続き、将来を見据えた取り組みをねばり強く進めていきたいと思います。ここで強烈に薦められている「星峠の棚田」(言われているとおり、日本に生まれてよかったと思える絶景です)は5月がベストシーズンですし、外国人に圧倒的人気の「大地の芸術祭」の前売チケット販売は既に始まっています。日本三大花火の長岡大花火大会の有料座席の販売も始まっています。日付は固定の8月2、3日(今年は木、金)。昭和20年8月1日の長岡空襲で亡くなられた方々への慰霊等の趣旨が込められたまつりだからです。幼い頃は混みすぎのイメージで、恥ずかしながら昨年初めて行ったのですが、東京の花火に比べると快適な部類に入る混雑具合、視界に収まり切れないフェニックス花火などに感動し、2日連続で見に行ってしまいました。今年も行きたいです。来月も広域という視点で書きたいと思います。お読み頂きありがとうございました。 ファイナンス 2018 May41ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連 載 ■ ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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