ファイナンス 2018年5月号 Vol.54 No.2
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20テトリ貨幣については 平成28年9月に全数1,400万枚をジョージア国立銀行へ完納した。2貨幣セットの販売造幣局では、未使用の状態の500円から1円までの邦貨6種をプラスチックケースに組み込んだものを貨幣セットと称し、収集家や造幣局工場・博物館見学者などに販売している。バングラデシュ2タカ貨幣を製造した際には、この貨幣セットに2タカ貨幣を組み込んで販売し、好評を博したことから、20テトリ貨幣についても同種の貨幣セットを販売することとした。この貨幣セットは、平成28年銘の邦貨6種と20テトリ貨幣1枚がプラスチックケースに組み込まれ、さらに特製のケースに収納されている。特製ケースの意匠制作にあたっては、ジョージア国立銀行も協力を惜しまず、アイデアや写真を豊富に提供していただいた。その結果、同国の自然や文化をとらえた美しい写真に彩られ、また、20テトリ貨幣についての説明のほか、ジョージアの「自然」、「食文化」及び首都トビリシ郊外に古い街並みを残す世界遺産「ムツヘタ」の紹介文も掲載された、ジョージアの魅力に満ち溢れたケースになったと我々は自負している。なお、筆者もジョージア国立銀行訪問のため首都トビリシに滞在する機会を得たが、国立銀行からもほど近い旧市街では、欧州と中東の双方から影響を受けたのであろう独特な街並みを楽しむことができた。また、食したジョージア料理はいずれも大変美味であり、特にジョージア版の水餃子、あるいは小龍包ならぬ大龍包といえる「ヒンカリ」は、肉汁たっぷりでやみつきの美味しさであった。さらに、トビリシには良質な温泉が湧き出ており、街中の公衆浴場で入浴することができる。このように観光地として申し分なく、ドバイやイスタンブールから直行便も就航しているので、日本からの旅行者が今後増えることが期待される。20テトリ貨幣を組み込んだ貨幣セットジョージアの首都トビリシの風景(表面)(裏面)20テトリ貨幣のデザイン ファイナンス 2018 May25

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