ファイナンス 2018年5月号 Vol.54 No.2
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累計参加者数33,980人!高校生が未来を 切り拓くビジネスプランの作成に挑戦!!全国の高校生が、ビジネスプランを作り、そのプランを競い合う、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」。日本政策金融公庫が創業支援で培ったノウハウを起業教育に活用し、若者の創業マインドを向上させようとするもので、年々、その規模は拡大している。第5回目となる2017年度は、約1万1千人を超える高校生から、3,247件(385校)のエントリーがあった。いずれも若者ならではの自由で豊かな想像力を生かしたプランばかりだ。これらのプランの中から選ばれたファイナリスト10組により「第5回高校生ビジネスプラン・グランプリ最終審査会」が2018年1月7日(日)に東京大学の本郷キャンパスで行われた。地元の特産品を活用した食品や製品の開発、ITを活用したマッチングサイトの運営など、バラエティに富んだプランが創意工夫あふれるプレゼンテーションによって次々と披露される。高校生たちの社会や地域に向けられた鋭い視点とそれを解決しようとする熱い思いに心が揺さぶられる。会場は大いに沸いた。本グランプリを後援する財務省からは、今枝宗一郎財務大臣政務官が出席し、自身の経験を交え、熱のこもった挨拶で、高校生たちを激励した。今回、グランプリを受賞したのは、市川高等学校(千葉県)による「棚田の未来を守れ!~棚田用自律型稲刈り機『弥生』~」。このプランは、棚田の衰退を防ぎ、更なる発展を目指すため、棚田用稲刈り機の開発と棚田米のブランド化に取り組むものである。民間企業との連携により、画像認識技術や販路開拓を取り入れるなど、起業家も顔負けの完成度であった。そして、グランプリを受賞した市川高等学校の余田さんは、受賞スピーチで次のように締めくくった。「グランプリをとったからと言って、ここで終わってしまったのでは何もしていないのと同じです。これから先、起業することも含めて、社会に影響を与えていけるような活動を行っていきたいと思います。」清々しい余韻。受付でもらったプログラムに改めて目を通す。「活力ある日本を創り、地域を活性化するためには、次世代を担う若者の力が必要」の文字が全身に染み渡った。さて、次の第6回高校生ビジネスプラン・グランプリは、以下の日程で開催される。〈エントリー受付期間〉2018 年 7月 2日(月)から 9月 14 日(金)〈最終審査会〉2019年 1月 13 日(日)(場所:東京大学)日本政策金融公庫では、高校生のビジネスプラン作成を支援するため、職員による高校での出張授業や、無料オンライン講座「gacco」を通じたサポートなどを引き続き実施していく。全国の高校生の皆さんのチャレンジを待っている。主催:日本政策金融公庫高校生ビジネスプラン・ グランプリ図表1 過去の応募高校数とエントリー件数の推移第1回2013年度第2回2014年度第3回2015年度第4回2016年度第5回2017年度前回比参加高校数151207264324385118.8%エントリー件数1,5461,7172,3332,6623,247122.0%参加生徒数(人)3,3624,9276,9157,52011,256149.7%図表2  第5回「創造力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」開催結果受賞名高校名グループ名プラン名グランプリ市川高等学校(千葉県)Agri Successors棚田の未来を守れ!~棚田用自律型稲刈り機『弥生』~準グランプリ愛媛県立長浜高等学校チーム・ニモクラゲ予防クリームの開発審査員特別賞青森県立名久井農業高等学校TEAM FLORA PHOTONICS II青い森のほくほくカボチャ~メガソーラー農園化計画~栃木県立宇都宮工業高等学校宇都宮工業高等学校建築科 組子班魅せる耐力壁への挑戦~「鹿沼組子」による耐力壁~慶應義塾高等学校二石一鳥Bridge―学生と社会のマッチングサイト―日本政策金融公庫が、若者の創業マインドを向上させるため、毎年主催している、 高校生ビジネスプラン・グランプリについて紹介する。6 ファイナンス 2018 May

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