ファイナンス 2018年4月号 Vol.54 No.1
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連載 各地の話題歴史と人情味・国際色溢れる港まち 清水清水税関支署総務課 総務係長松川 淳清水(名古屋税関管内)1はじめに清水税関支署は、世界文化遺産構成資産に登録された風光明媚な「三保の松原」を有する三保半島に囲まれた清水港を目の当たりにする場所に位置しており、管内には3つの開港(清水港、田子の浦港及び御前崎港)と1つの税関空港(富士山静岡空港)を有するなど、全国の税関支署の中でも比較的大規模な税関支署の一つとなっております。2沿革明治30年、清水港が「開港外国貿易港」に指定されたことに伴い、同年7月に清水波止場会社内に「清水横浜税関支署」が設置されました。当時の清水税関支署は、横浜税関の管轄支署でしたが、昭和12年10月に名古屋税関が設置されたことに伴い、現在の名古屋税関の管轄となりました。ここで皆さんに当時の様子が分かる和歌が一首ありますのでご紹介いたします。「我れは今 楊子くゝべず前に置く 清水港の税関と富士」これは歌人、与謝野晶子が清水港に来て詠んだ歌です。晶子の門人であった菅沼宗四朗が昭和10年11月に清水税関支署長として着任した後、晶子を清水へ招きました。この歌は、晶子が来清し、支署長宿舎での昼食後のひとときに、「楊枝を口にせず、しばし税関の整然さと富士山の秀麗さに見とれた晶子の心情を表現したもの」と言われており、晶子が当時見た富士山の美しい情景が浮かんできます。3管内の話題○冷凍マグロ輸入額全国第1位清水と言えばマグロと言われるほど、清水はマグロで有名です。平成28年の財務省貿易統計によると、生鮮・冷凍まぐろの清水港での輸入額は全体の約7割を占め、全国1位を誇っています。清水港では、毎年10月に「清水港まぐろ祭り」が開催され、静岡市をはじめとした行政機関や関係団体・市民とが一体となり、県内外に向けマグロの魅力や美味しさをPRしています。清水港まぐろ祭りの様子○国際クルーズ拠点港平成29年1月に国土交通省の「官民連携による国清水税関支署長室に飾られた晶子の歌58 ファイナンス 2018 Apr.連 載 ■ 各地の話題

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