ファイナンス 2018年4月号 Vol.54 No.1
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天てん丼どん・ららぁぁ麺めんハはゲげ天てん【銀座】天ぷらの名門『ハゲ天』が天丼&ラーメンの 新業態を始動。禁断のコラボを堪能あれ!2018年3月2日、正真正銘、銀座の一等地である「銀座すずらん通り」沿いに、天ぷらの名門として有名な『銀座ハゲ天』がオープンした。と言えば、「『ハゲ天』の支店の新規オープンじゃないか」と思われるかも知れないが、そうであるのなら、ラーメンコラムで紹介する意味は全くない。でも、ちょっとお待ちいただきたい。このお店、外観をじっくりと観察すれば、街中でよく見掛ける『ハゲ天』とは、ロゴが違うことに気付くのではないか。更につぶさに見ると、店名も『天丼・らぁ麺ハゲ天』となっており、ラーメンの文字が明記されている。そう、こちらの店舗は、『ハゲ天』の名を冠しながら、ラーメンも提供する完全な新業態なのだ!しかも、手掛けるラーメンは、超人気ラーメン店『一風堂』などを展開する『力の源カンパニー』のコンサルティング部門と共同で開発したもの。開発に当たっては、惜しまれながらも閉店した秋葉原の実力店の元店主(現在は『力の源カンパニー』に所属)も携わったという。その結果、単なる天ぷら屋のラーメンとは一線を画した、ラーメン愛好家をも唸らせる本格派の1杯が完成。オープンしてからまだ日が浅いにもかかわらず、ラーメン好きの間で評判を呼んでいる。「『一風堂』のラーメンに採り入れているノウハウを全面的に活かしながらも、天ぷらに合うようにと、更に工夫を重ねて出来上がったのが『天丼・らぁ麺ハゲ天』のラーメンです」と胸を張る。甘塩っぱく濃厚な天ぷらのタレがキリリと引き立つよう、『一風堂』の豚骨出汁を「和」テイストへとシフト。出汁の濃度こそ若干薄めているが、どっしりと落ち着いた風味が特徴的な「鰆(さわら)」の魚粉を加えることで、かえって、メリハリ豊かなうま味を演出することに成功。「『一風堂』の通常メニューでは、液状油を用いることでドッシリと重厚な味わいを表現していますが、こちらのラーメンは液状油を極力減らし、代わりに背脂を用いることで、サッパリとした食べ口を実現しました」と笑う。仕上げに、ゴマの風味をわずかに添え、天ぷらのうま味とのシンクロを図っている。ラーメンという食べ物を熟知したギミックに、頭が下がるばかりだ。このスープとタッグを組ませる麺は、『一風堂』の通常メニューで用いられる麺よりも更に細い、硬めのストレート。「麺量は、たったの80gなんですよ。(一般的な都内のラーメンの麺量は130g)麺を細くすることで、それでもボリューム感が出せるんです」。もちろん、ラーメンとセットとなる丼ものも、『ハゲ天』のクオリティが確保された一級品。ご飯と麺とを合わせれば260g。めくるめくような炭水化物ワールドは、禁断の領域。是非、一度ご堪能いただきたい。プロフィールラーメン探究家 かずあっきぃ(田中 一明)1972年11月生まれ。学生時代に出逢った1杯のラーメンに感銘を受け、1995年より本格的な食べ歩きに着手。「ラーメンの魅力の探究」をライフワークとし、年間700杯以上のラーメンをコンスタントに実食。総食杯数は12,000杯を超える。日本全国のラーメン事情に通暁し、各種媒体にラーメン情報を精力的に発信。 ファイナンス 2018 Apr.55かずあっきぃのラーメン探訪記連 載 ■ かずあっきぃのラーメン探訪記

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