ファイナンス 2018年4月号 Vol.54 No.1
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前船で隆盛を誇ったものの、モータリゼーション等で太平洋側に中心がシフトし相対的に地位が下がった日本海沿岸地域。その結果、逆に日本文化・食文化が残っている点を強みにして日本・世界にアピールするため、来年秋のDCでは食というワンテーマに絞ってブランドを磨くチャレンジングな設定にしています。この「日本海美ガストロノミー食旅」、次回以降に取り上げます。並行在来線がつなぐ地域の未来「並行在来線」。新幹線開業によってJRから経営分離された在来線のことです。旅客が著しく減少しても、地元自治体が中心となって、地域の生活の基盤となる路線の維持を決定し、第三セクターの鉄道が作られています。どんなイメージが湧くでしょうか。高校生やお年寄りのために地域の足は必要だけど、人口が減る中、赤字と公的負担が増大し、未来はなかなか簡単じゃない…。そんななか、明るい展望に向け頑張っている取組について、今回、長野県、新潟県、富山県、石川県という北陸新幹線沿線を取り上げます。まず、看板観光列車の初の域外乗り入れ。えちごトキめき鉄道の「雪月花」と、しなの鉄道の「ろくもん」が上越市高田公園の高田城百万人観桜会、上田城千本桜まつりの時期に相互に乗り入れをしました(写真3参照)。「雪月花」は国内最大級の展望を持つ列車。一流料理人が考案した地元食材活用のフレンチや和食のオリジナル料理を味わいながら、四季折々の日本海の絶景と、越後富士と称される妙高の雄大な山並みが楽しめることで有名です。「ろくもん」は軽井沢から上田、長野市まで走る観光列車。真田一族の家紋である「六文銭」から命名したそうです。大河ドラマ『真田丸』でも話題になった「赤備え」をイメージした濃い赤が列車の基本色になっています。4月7日には、「ろくもん」が上越へ、13日には、「雪月花」が上田に向かいました。雪月花は早期に満席完売。7日はちょうど上越市で桜が満開を迎えました。「ろくもん」に乗った方々に、青森県の「弘前公園」、東京都の「上野恩賜公園」と並んで日本三大夜桜といわれる新潟県上越市の「高田公園」の夜桜を楽しんでいただけたのではないでしょうか。また、石川(IRいしかわ鉄道)、富山(あいの風とやま鉄道)、新潟(えちごトキめき鉄道)、長野(しなの鉄道北しなの線)を結ぶ「4社共同 開業3周年謝恩フリーきっぷ」がGWまで発売されています。長野~妙高高原~直江津~市振~富山~倶利伽羅~金沢を結ぶ区間が2日間乗り降り自由。切符は記念台紙付きで4社集めると路線図が完成します。大人4,000円、小児2,000円で販売枚数限定です。列車の違いを感じながら、ゆったり気ままに大自然やおいしい食べ物、地元の方々のおもてなしなどを楽しむ春、いいですね(写真4参照)。写真3:満開の桜と雪月花出典:えちごトキめき鉄道写真4:石川、富山、新潟、長野 並行在来線会社区間出典:国土交通省資料 ファイナンス 2018 Apr.33ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?連 載 ■ ニイ「ガタ」、「トキ」、書いてみませんか?

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