ファイナンス 2018年3月号 Vol.53 No.12
54/60

(2)維持・整備方法の見直し〔縮減見込額:685億円〕・定期整備間隔の延伸等による維持整備コストの効率化F7-10エンジン(固定翼哨戒機(P-1)用)の定期整備間隔の延長〔縮減見込額:40億円〕護衛艦の情報処理サブシステム等の共通化〔縮減見込額:24億円〕輸送ヘリコプター(CH-47J/JA)の維持部品のPBL〔縮減見込額:9億円〕(3)民生品の使用・仕様の見直し〔縮減見込額:166億円〕・作戦用通信回線統制システム(TNCS)の整備〔縮減見込額:68億円〕TNCS電話端末の仕様を見直し、民生品を活用。・赤外線ステルス目標に対する画像誘導技術の研究〔縮減見込額:44億円〕システム設計等に類似研究等を活用。(4)装備品のまとめ買い〔縮減見込額:371億円〕少量かつ長期間の整備の結果、高価格となっている装備品等について、経費縮減効果の見込まれるものを単年度にまとめて予算化し、効率化を追求。(5)原価の精査等〔縮減見込額:701億円〕主要装備品等について、機体価格や関連経費の精査等の取組を通じ、価格低減を追求。具体的には、FMS調達であるティルト・ローター機(V-22)及び戦闘機(F-35A)や国内調達の護衛艦をはじめ、合計699件について、機体価格や関連経費の価格精査等を通じて、削減額を積み上げ。(図表4:予算編成時における価格低減の取組み例)4.今後の課題中期防でも言及されているとおり、格段に厳しさを増す財政事情を勘案し、一層の効率化等を徹底した防衛力整備が求められている。平成30年度予算では、上記のとおり予算編成プロセスを通じて調達改革に取り組んだ結果、中期防において調達改革等により確保することとされていた財源規模(7,000億円程度)を上回る調達改革(7,710億円程度)を実現した。(図表5:中期防期間中における調達改革について)こうした取組については、今後とも進めていく必要がある。図表4 予算編成時における価格低減の取組み例○予算編成プロセスにおいて、機体価格や関連経費の精査等の取組を通じ、例えば以下の主要装備品をはじめ価格の抑制を実現。価格低減の結果内訳イメージティルト・ローター機(V-22)30年度概算要求 971億円(機体価格:457億円(4機)、関連経費:514億円)30年度予算 716億円(255億円の削減)・機体価格▲73億円(機体単価▲18億円×4機)・関連経費▲200億円(技術支援費の見直し等)・為替レートの置換えによる増+18億円陸自護衛艦30年度概算要求1,106億円(艦船建造費:964億円(2隻)、初度費:142億円)30年度予算1,055億円(51億円の削減)・船価の精査による減▲8億円・官給品・初度費の精査による減▲19億円・搭載装備品の精査による減▲30億円・加工費レート・GCIP等の置換えによる増+6億円海自戦闘機(F-35A)30年度概算要求1,180億円(機体価格:881億円(6機)、関連経費:299億円)30年度予算1,079億円(101億円の削減)・機体価格▲110億円(機体単価▲18億円×6機)・関連経費▲9億円(技術支援費の見直し等)・為替レートの置換え等による増+18億円空自※概算要求額、予算額については、初度費、関連経費を含む。※計数は四捨五入によっているため、合計額と一致しない場合がある。50ファイナンス 2018.3特集

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る