ファイナンス 2018年3月号 Vol.53 No.12
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1.概要(1) 30年度の文教及び科学振興費は、一般会計ベースでは、5兆3,646億円(29年度当初予算比+79億円、+0.1%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆488億円、科学技術振興費は1兆3,159億円である。文部科学省所管予算としては、一般会計で、5兆3,093億円(29年度当初予算比▲4億円、▲0.0%)を計上している。このうち、文教関係費は4兆405億円、科学技術振興費は8,694億円、その他が3,994億円である。(2) 30年度文教及び科学技術予算のポイントは以下の通りである。我が国の競争力強化や生産性向上に向けて、教育や科学技術の質を高めていくことは重要であるという基本的な考え方に基づき、ア.少子化の進展を踏まえた予算の効率化、イ.エビデンスに基づいたPDCAサイクルの確立、ウ.民間資金の導入促進、エ.予算の質の向上・重点化を進めるという方針に基づき、予算編成を行った。○義務教育における新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革の推進・小学校において、質の高い英語が指導可能な専科教員の実効的な強化・スクールカウンセラーや部活動指導教員等の外部人材の配置促進を通じた「チーム学校」の実現○幼児教育、高等教育の経済的負担軽減の着実な実施・幼児教育の段階的無償化・29年度に創設した給付型奨学金の円滑かつ着実な実施・29年度に決定した無利子奨学金拡充の着実な実施・国立大学・私立大学の授業料減免の拡充(注)「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)に基づく幼児教育の無償化は、平成31年4月から一部をスタートし、平成32年4月から全面的に実施、高等教育の負担軽減は、平成32年4月から実施する。○国立大学や私立大学への資金配分の見直し等を通じた大学改革の促進・国立大学法人運営費交付金等の再配分等の加速、国立大学経営改革促進事業の創設・私学助成について、定員充足率や教育の質による配分の見直し等を通じたメリハリある予算配分の実現○2020年東京オリンピック・パラリンピック 大会に向けた着実な準備等・2020年東京大会等に向けた準備○文化芸術立国に向けた文化資源の活用促進・文化経済戦略等の推進・文化庁の機能強化○生産性革命等に向けたメリハリある科学技術 イノベーション・Society5.0の実現に向けた重点分野への戦略的配分・イノベーション実現のための環境整備・基幹プロジェクトの推進 等文教及び科学振興費について主計局主計官 中島 朗洋ファイナンス 2018.319特集

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