ファイナンス 2018年3月号 Vol.53 No.12
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文中、〔 〕書きの金額は、対29年度当初予算比の増減を表す。○経済産業省予算1 概観経済産業省の平成30年度予算では、一般会計予算として9,365億円を計上しており、対前年度比で▲423億円となっている。これは平成29年度予算の特殊要因400億円が剥落したことが主な要因である。この特殊要因は、福島第一原発事故の賠償等の資金繰り支援に要する交付国債の発行限度額引上げに併せ、今後の金利負担分を一括してエネルギー対策特別会計・原子力損害賠償支援勘定に繰入れしたものである。予算を概観すると、まず生産性革命の一環として、コネクティッド・インダストリーズの推進のため、人工知能、ロボット等の研究開発に重点的な予算措置を行っている。また、中小企業関係について、事業承継支援及び下請対策に重点的な予算措置を行うとともに、地域中核企業支援及び生産性の向上に向けた支援に必要な予算を計上している。エネルギー関連では、平成27年に決定した「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の実現に向け、工場等における省エネ設備投資といった省エネの取組みを支援している。また、国民負担抑制と再エネ導入の両立といった観点も踏まえ、再エネ関連の技術開発や実証に必要な予算を拡充している。東日本大震災復興特別会計においては、福島イノベーション・コースト構想の実現等に必要な予算を計上している。2 科学技術関係人工知能、ロボット、自動走行等の研究開発や実証事業に対して重点的な予算措置を行っており、科学技術関係予算で6,558億円〔+295億円〕、一般会計の科学技術振興費で1,054億円〔+44億円〕と拡充している。具体的には、ネットワークの端末(エッジ)側で情報処理を行う、小型かつ省エネルギーな高効司法・警察、経済産業、 環境予算について主計局主計官 小宮 敦史(表1)経済産業省関連予算の概要(単位:億円)項目29年度当初 (1)30年度予算 (2)対29年度当初(2)-(1)一般会計(経産省計上)9,7899,365▲423▲4.3%エネ特繰入以外3,4203,455361.0%科学技術振興費1,0101,054444.3%中小企業対策費1,1161,110▲6▲0.6%その他1,2931,291▲2▲0.2%エネ特繰入6,3695,910▲459▲7.2%エネ需勘定繰入4,3724,330▲42▲1.0%電促勘定繰入1,5971,580▲17▲1.1%原賠勘定繰入400―▲400皆減復興特会(経産省関連)650468▲182▲28.0%8ファイナンス 2018.3特集

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