ファイナンス 2018年2月号 Vol.53 No.11
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(3)納税者への影響経済状況や財政への影響の他に、納税者の納税額への影響についても両院合同租税委員会は公表している*14。詳細を図表9-1に示しているが、これは、各収入分類における、マクロの税収の推移を示したものである。2019年においては、すべての収入分類において税収減となっているが、その後、収入減は高所得者のほうに偏っていく図となっている。上述の両院合同租税委員会の数字は、各分類における税収全体であるが、各収入階位において、納税者個々の税引き後所得の増減については、Tax Policy Centerが図表9-2のような見通しを示している。2025年までは税引き後所得はどの収入階位でも増えるが、時限措置が終わったあとは、高所得者のみ税引き後所得が増える見通しとなる。図表9-1〈両院合同租税委員会による、各収入分類におけるマクロの税収増減〉改正前税収見通しとの差額(100万ドル)収入分類2019年における納税者割合2019年2021年2023年2025年2027年$1万未満10.9%-396-60278314383$1万~2万未満11.6%-1,7921,9203,0442,8476,487$2万~3万未満12.2%-2,9821,9482,4162,9808,359$3万~4万未満9.0%-5,416-1,956-2021054,864$4万~5万未満7.3%-6,728-3,522-2,127-1,7014,317$5万~7.5万未満15.5%-23,046-18,819-14,944-14,3494,060$7.5~10万未満10.1%-22,437-20,583-16,558-16,652-1,037$10万~20万未満17.3%-70,372-64,835-49,535-48,439-5,993$20万~50万未満5.2%-65,485-61,510-46,640-47,460-5,890$50万~100万未満0.6%-23,947-21,661-14,015-13,623-3,099$100万~0.3%-36,853-29,845-9,833-9,600-8,495合計100.0%-259,454-218,927-148,113145,5813,958図表8-3〈各年GDP成長率の推移(Tax Foundationによる試算)〉(出典)注8参照0.51.01.52.02.53.02018201920202021202220232024202520262027(%)ベースライン改正後図表8-1〈10年後のGDP実額の増加割合(ベースラインとの比較)〉(出典)図表7と同じ0.00%0.60%0.70%1.10%2.20%2.96%0.0%0.5%1.0%1.5%2.0%2.5%3.0%3.5%TPCPWBM(Low)JCTPWBM(High)HeritageTaxFoundation図表8-2〈10年間のGDP額の推移(Tax Policy Centerの試算の場合)〉(億ドル)〈年〉20182019202020212022202320242025202620272037ベースライン19,92620,66121,37822,16823,03723,94824,89925,88926,91727,98541,419税制改正による経済成長反映20,07720,80021,49322,27923,15724,07525,03226,02926,94427,97841,420(%)GDP増加割合0.80.70.50.50.50.50.50.50.100(出典)注9参照*14)“Distributional Effects of the Conference Agreement for H.R.1, the “Tax Cuts and Jobs Act””, Joint Committee on Taxation, Dec. 18, 2017ファイナンス 2018.233「トランプ税制改革」についてSPOT

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