ファイナンス 2018年2月号 Vol.53 No.11
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係機関、独立行政法人などに対して長期・固定・低利で行われる融資。●産業投資:株式会社国際協力銀行からの国庫納付金や財政投融資特別会計投資勘定が保有するNTT株、JT株の配当金などを原資として行う産業の開発及び貿易の振興のための投資(主として出資)。●政府保証:政府関係機関・独立行政法人などが金融市場で発行する債券や借入金を対象に、政府が元利払いに対して行う保証。2.平成30年度財政投融資計画の概要(資料2)(1)生産性向上(7兆5,672億円)株式会社日本政策金融公庫において、中小企業・小規模事業者による創業・事業再生及び働き方改革に資する生産性向上の取組、畜産業者を中心に農業者による規模拡大を目的とした設備投資等への資金需要に対応することとしており、株式会社日本政策投資銀行において、企業の競争力強化や地域活性化に資する事業の支援等を行うこととしている。また、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対して、現下の低金利状況を活かし、今後の借換えのための長期資金を供給し、将来にわたる金利負担を軽減することにより、①大都市圏環状道路等の整備加速による生産性の向上②高速道路の橋梁の耐震強化対策の加速による安全・安心の確保を推進することとしている。(補論) 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の債務の借換えにあたっては、金利負担を軽減するため、保証が付されている(政府保証)。今後発行を予定している政府保証の一部を超長期の財政融資に置き換えることで、同機構の将来にわたる金利負担が軽減され、同機構の高速道路株式会社からの債務引受余力が増大することとなる。(2)国際展開戦略推進(2兆0,046億円)株式会社国際協力銀行、独立行政法人国際協力機構、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)、株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)において、日本企業によるインフラ海外展開への支援等を行うこととしている。(3)教育・福祉・医療(1兆2,449億円)独立行政法人日本学生支援機構において、進学意欲のある学生等に対して有利子等奨学金の貸与を行うこととしている。また、独立行政法人福祉医療機構において、福祉医療サービスの基盤強化の観点から、児童福祉施設、老人福祉施設及び医療関連施設の整備等を推進することとしている。(4)地方(3兆2,102億円)地方債計画に基づき、社会資本整備や災害復旧を中心に、地方公共団体の円滑な資金調達に貢献する観点から、財政融資資金から資金供給を行うこととしている。また、頻繁に発生する大規模な災害に鑑み、地方公共団体の防災・減災の取組を支援する観点から、近年は財政融資の対象としていなかった地方単独事業のうち、防災対策事業を貸付対象に追加することとしている。3.産業投資について平成30年度財政投融資計画のうち、産業投資の概要については、資料3のとおりである。まず、生産性向上に向け、企業の競争力強化や地域活性化に特に寄与する事業に対して資本性資資料2 平成30年度財政投融資計画の概要(単位:億円)29年度当初30年度当初1.生産性向上74,33375,672(1)地域活性化44,78747,442(株)日本政策金融公庫36,14038,175 うち 国民一般・中小企業者向け30,57029,975    農林水産業者向け2,3504,830(株)日本政策投資銀行7,0007,790(2)交通インフラの整備29,54628,230(独)日本高速道路保有・債務返済機構13,85027,450(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構15,2942722.国際展開戦略推進24,44020,046(株)国際協力銀行16,66011,724(独)国際協力機構5,4876,184(株)海外交通・都市開発事業支援機構1,1371,268(株)海外通信・放送・郵便事業支援機構416312(株)海外需要開拓支援機構2101353.教育・福祉・医療12,19712,449(独)日本学生支援機構7,0037,075(独)福祉医療機構3,5313,4864.地方34,73032,102地方公共団体28,68028,1025.その他5,5824,362財政投融資計画額15兆1,282億円14兆4,631億円(注)本表は計数整理の結果、異同を生ずることがある。12ファイナンス 2018.2特集

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