ファイナンス 2018年2月号 Vol.53 No.11
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(イ)給与所得控除の見直し(図2)給与所得控除については、実額の勤務関連経費や諸外国の水準と比べても過大となっているとの指摘がなされてきた。このため、「控除額を主要国並みに漸次適正化する」との方針の下、段階的に見直しを進めてきており、控除額が頭打ちとなる給与収入を1,000万円超まで引き下げてきた。今回の改正でも、これまでの方針に沿って、控除額が頭打ちとなる給与収入を850万円超に引き下げるが、子育てや介護に配慮する観点から、23歳未満の扶養親族や特別障害者である扶養親族等を有する者等には負担増が生じないよう措置を講ずることとしている。(ウ)公的年金等控除の見直し(図3)公的年金等控除については、給与所得控除とは異なり控除額に上限がなく、年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が(図1)給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替(案)税額基礎控除等公的年金等控除給与所得控除給与フリーランス、請負、起業等による収入公的年金等必要経費給与所得控除等から基礎控除へ振替(×税率)▲10万円▲10万円+10万円※給与所得と年金所得の双方を有する方については、片方に係る控除のみが減額される。(図2)給与所得控除の見直し(案)850010020002004006008001,0001,2001,4001,6001,8002,00002004006008001,0001,2001,4001,6001,8002,000(万円)給与収入(万円)給与収入65上限220万円上限220万円上限 210万円上限 195万円5501002006555101015給与所得控除額給与所得控除額子育て世帯(注1)・介護世帯(注2)⇒負担増減なし子育て世帯(注1)・介護世帯(注2)以外⇒850万円超から徐々に負担増振替給与850万円900万円950万円1,000万円負担増なし+1.5万円+3.0万円+4.5万円※850~1,000万円の方は、徐々に負担額が増加3810(所得金額)(基礎控除)48振替38(基礎控除)48※個人住民税については、 33万円から43万円に引上げ。 以下同じ。10(所得金額)(注1)23歳未満の扶養親族を有する者(注2)特別障害者控除の対象である扶養親族等を有する者等(いわゆる「介護」を受けている者以外の特別障害者を含む)8ファイナンス 2018.2特集

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