ファイナンス 2017年12月号 Vol.53 No.9
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女性の働く環境整備や財政健全化など幅広いテーマで意見を交換「車座ふるさとトーク」レポート今回の「車座ふるさとトーク」には、企業経営者、学識経験者、農業関係者、社会福祉法人、NPOの関係者や学生など、男性6名、女性7名の計13名が参加した。冒頭、うえの副大臣は、幅広く皆様からご意見を頂戴したい、皆様から頂いた貴重なご意見は、それを政府としてしっかり受け止め、何らかの形で政策に反映できるよう努力したい、と対話への意気込みを述べた。その上で、「日本の財政は非常に厳しい状態にある」と語り、1,000兆円を超える国の借金がある中で財政再建が大きなテーマであることを説明した。一方で安倍政権発足の成果についても、企業の収益は大企業、中小企業を問わず、最高水準になっていること、雇用環境が改善し、広島県の有効求人倍率が1.8倍となっていることなどを報告。また、福山市は製造業の町でもあり、鉱工業の製品の出荷額も大変高い伸びで増加していることを紹介し、こういった経済活動をしっかり応援するとともに、企業の収益が次の投資あるいは従業員のみなさんの給料などにしっかりと反映されるような経済の好循環を作れるように努力をしていかなければならない、とも語った。「扶養の範囲」や保育園整備など 女性の働く環境整備を参加者からは女性の働く環境整備に関する意見や要望が数多く寄せられた。社会福祉法人の理事を務める女性や不動産会社を営む女性からは配偶者控除や社会保険制度、配偶者の扶養手当など、いわゆる「扶養の範囲」で働こうとすることが、女性の活躍を一番止めている原因の一つになっていると感じているとの指摘があった。女性スタッフの面談をしている中で、勤務時間を増やそうと思っても、扶養から外れることでためらってしまう人が少なくなく、配偶者の扶養の範囲内での仕事を希望する人が多いという。また、企業経営の側からみると、出産後、非正規で復帰した女性職員が仕事に慣れた段階で、任せられる仕事が増えても、出勤日を増やせない、時給を上げられない、賞与を出せない、という状況であるという。さらに、出産後の女性は、子供のことを重視したいので週に3日、1日5時間程度から働いてみて、子供が保育園に慣れたら徐々に働く時間を延ばしていきたい、子供の参観日には仕事を休みたい、女性の活躍と言われているが、管理職を望む女性のほうが少ないと思うので、管理職の女性割合を高めるような目標を作るのではなく、女性が望む働き方の支援をしてほしいとの指摘もあった。また、男性が積極的に子育てに参加できるよう長時間労働の是正が必要との指摘もあった。このほか、待機児童問題と保育士の待遇改善について、会社員の女性からは、私自身は福山市に住んでいるので、産休・育児休暇終了後すぐに希「車座ふるさとトーク」の冒頭で安倍政権の政策について 説明するうえの副大臣。4ファイナンス 2017.12

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