ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8
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ける「徹夜おどり」も行われる。盆踊りというと、村の人だけで盛り上がる、という印象があるが、郡上おどりに関しては、観光客を排除するわけでなく、誰にでも開かれているのが特徴である。なお、近所のスーパーマーケット主催の夏祭りに行ったところ、かわさき(郡上おどりの曲)が流れるや、誰でも当然のように踊り始めた。岐阜の人々には、自然と踊りが身に付いているのであろう。(5)キャンプ個人的にキャンプや登山が好きだが、東京で暮らしていたころは、2時間、3時間かけて渋滞に耐えながら山梨県や埼玉県までキャンプに出かけていた。ところが岐阜に来てみると、近いところでは15分も車で走れば、しっかりしたキャンプ場、例えば岐阜市最高峰百々ヶ峰(417.9m)の麓の「ふれあいの森キャンプ場」に行くことができる。それどころか、近隣県の人々には「岐阜県はキャンプに行く場所」と認識されている模様で、県内各地にそれぞれ特色を持ったキャンプ場があり、他県ナンバーの車も含め、多くの人々で賑わっている。その中で個人的に印象深かったのは「白山ブナの森キャンプ場」(白川村)。国道を離れ、一車線の道を走ること30分。樹齢数百年のブナの木が林立する深い森の中に、そのキャンプ場はある。エスパース・スーパーライトの4~5人用テントを張り、薪を集め、BBQをする。夕闇に包まれると、焚火の爆ぜる音以外は完全なる静寂。人里離れているので、星が素晴らしく綺麗であった。「カサッ、カサッ」と、夜間、何かの獣がテントの周りをうろつく音がするのはご愛嬌である。(6)登山岐阜県の中でも、特に他県の方々や世界に対して自慢できるものを「岐阜の宝もの」として県が認定しているが、その一つとして「五色ヶ原の森」(高山市)がある。乗鞍岳の麓に広がる広大な樹林帯であり、ガイド付きでないと立ち入りができないよう管理されている。ここを1日かけてハイキングするプランが設けられているのであるが、自然の素晴らしさと、ガイドさんの知識の豊富さに圧倒される体験であった。近年、山に登ると中高年の方々を非常に多く見かけるが(自分もその一人であるが)、登山経験も体力も技量も、人それぞれ、様々である。今後さらに中高年の方が増えていくことを想定すると、これからの登山は、ガイドと一緒に歩くのが主流になっていくであろうし、また、環境面や安全面からもそうなっていくべきであると思う。そういう意味では、この五色ヶ原方式は、先駆的な取組と言える。いずれ行きたいと思って密かに研究しているニュージーランドのトレッキングでも、小屋やルートを公的機関が整備した上で、入山するにはガイドを付けることが必須となっているようだ。(おまけ)五色ヶ原に来たついでに、乗鞍岳(3026m)にも登った。乗鞍岳へのアプローチ道路はマイカー禁止なので、麓でバスに乗り換え2700m付近まで。そこから1時間半歩くと山頂に至ることができ、日本で最も手軽に登ることができる3000m峰と言われている。雪渓の上を歩くようなルートもあるが、小学生の息子でも軽々と登頂することができた。なお、乗鞍岳へのアプローチ道路は、もともと第二次世界大戦時に、陸軍が高地に航空エンジンの実験施設を建設することを計画し、そのための軍用道路として建設されたものである。しかしながら、敗戦により岐阜県の県道に編入されたという経緯があり、このため、日本全国を見渡しても相当早期から、山岳観光用の道路として活躍している。(7)スキー中部国際空港に降り立ち、レンタカーで2時間走れば、岐阜県の本格的なスキー場に至ることができる。海外から最もアプローチしやすいスキー16ファイナンス 2017.11SPOT

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