ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8
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1生活科と財政教育プログラムの融合平成29年10月6日、滋賀大学教育学部附属小学校において、小学2年生の生活科の授業に財務省が展開する財政教育プログラムを融合させた全国初となる教育プログラムが実施された。この授業では、大勢の参観者が見守る中、『いいところいっぱい!大切にしようみんなの公園 ~あったらいいな!こんな公園 ぼくのわたしの公園づくりシミュレート~』と題したグループワークが行われた。財政教育プログラムは財務省・財務局が、日本の財政に興味を持ってもらい、自分たちに関わる問題として国の将来を考え、判断できる知識を育むために全国の小・中・高校生に提供している授業である。職員が講師となり、財政についてクイズや事例を挙げながら講義を行ったうえで、予算編成シミュレーションのグループワークを行うもので、これまで小学6年生以上を対象として実施してきた。学校からの要望もあり、今回は小学2年生向けに財政教育プログラムを実施することとなった。そこで、社会保障や税の内容に触れる既存のプログラムでは低学年には難易度が高過ぎるため、2年生担任の西嶋良教諭により生活科の授業に財政教育プログラムの要素を加えた新しい授業が企画された。教諭が行う授業に財務省職員がゲストティーチャーとして加わり、児童にとって最も身近な公共施設である公園を題材に、独自に開発された教材を用いた公園づくりシミュレートを中心とする、全13単位時間(1単位時間:45分)の単元「いいところいっぱい!大切にしようみんなの公園」である。児童が公園に込められた願いやそこに関わる人の存在に気付き、「みんなのため」という考えを持って、公共施設を大切に利用しようとする姿勢を学ぶことが主な狙いである。2身近な公園調査からスタート児童の自発的な気付きを促すために、同単元は児童が普段利用する近くの公園(附属学校のため児童の生活圏は様々)を調査することから始まった。授業でも使用しているタブレット型PCを用いて遊具や施設を利用する姿や公園に関わる人を児童がそれぞれ撮影し、持ち寄った写真を見ながら全員で気付いたことを整理する授業が行われた。児童は一杯になっている公園のゴミ箱の写真に「だれがゴミ箱のゴミを捨てて(片づけて)いるんだろう」「公園ってどうやってできるの」などの疑問を抱き、公園を利用する人や支える人へと気付きを広げていった。3公園づくりシミュレーション当日の公開授業は、同単元のうち10時間目の公園づくりシミュレーション授業である。授業は実際に地域の公園の設置・運営等を行っている大津市公園緑地課の職員からのビデオレターを視聴することから始まる。これは今回の授業のため、市の職員から児童に「みんなのために安全で楽しい公園を作って欲しい。また公園を作るには多くのお金がかかるので、資金面も考慮して欲しい。」というメッセージを伝えるため作成されたものである。続いてゲストティーチャーの財務省職員が自己紹介を行い、いよいよ公園づくり開始。3~4名に分けられた各班には公園のベースとなる台紙と遊具や施設の写真がプリントされたカードが配られた。カードは滑り台、ブランコなどの遊具に加え、ベンチ、ゴミ箱、トイレなどの施設、さらには防災倉庫など多種多様なカードが用意された。それぞれのカードは大きさが異なっており、量感をSpot01小学校2年生向け 財政教育プログラム~ぼくのわたしの公園づくりシミュレート~財務省 大臣官房 地方課 広報連絡係ファイナンス 2017.119SPOT

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