ファイナンス2017年11月号 Vol.53 No.8
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業においても内部留保比率の水準は近年急速に高まって」いると指摘しています(図表8参照)。続いて、資産項目の増加状況をみると、「現金・預金」が63.9兆円、「投資有価証券」が125.1兆円増加していることがわかります。「現金・預金」の増加について、業種別にみると、製造業では「自動車・同付属部品製造業」(3.2%ポイント)など、非製造業では「卸売業」(7.7%ポイント)などが寄与しています。これらは経常利益の増加を背景にしたものとみられますが、リスクの高い資源・エネルギー事業を行う商社などでよりキャッシュフローを重視した経営が重視されていることも影響しているとみられます。図表7 貸借対照表の推移(資産) (単位:兆円、%、%ポイント)平成18年度平成28年度差増加率製造業・非製造業別寄与度上位2業種(注2)製造業(8.6) 自動車・同付属部品製造業(3.2) 化学工業(1.9)非製造業(34.8) 卸売業(7.7) 純粋持株会社(4.2)流動資産現金・預金147.1211.063.943.4売掛金・受取手形242.8226.7-16.1-6.6有価証券15.717.51.911.8棚卸資産112.6108.9-3.7-3.3その他106.2163.757.554.1固定資産有形固定資産464.8455.7-9.2-2.0無形固定資産18.023.75.731.7投資有価証券179.7304.8125.169.7製造業(6.8) 自動車・同付属部品製造業(3.3) 情報通信機械器具製造業(2.6)非製造業(62.8) 純粋持株会社(46.8) 卸売業(4.2)その他100.4133.933.533.4繰延資産3.01.9-1.1-36.6資産合計1390.21647.8257.518.5(負債及び純資産)流動負債買掛金・支払手形198.7167.4-31.3-15.7短期借入金162.4156.5-5.9-3.6引当金8.611.42.832.6その他147.5172.925.417.2固定資産社債50.965.414.528.4長期借入金261.8310.749.018.7引当金38.533.8-4.8-12.4その他66.160.3-5.9-8.8特別法上の準備金0.30.40.149.3純資産資本金90.5105.515.016.6資本剰余金94.9152.957.961.0製造業(9.2) 自動車・同付属部品製造業(4.0) 機械器具製造業(1.8)非製造業(51.8) 純粋持株会社(11.2) 卸売業(9.8)利益剰余金252.4406.2153.961.0その他(注1)17.74.3-13.3-75.4負債及び純資産合計1390.21647.8257.518.5(注1)「その他」は「自己株式」と「新株予約権」を含む。(注2)平成21年度に業種区分の変更があったため、括弧内の業種別の寄与度の算出においては下記の調整等を行っている。①新設された「純粋持株会社」は平成18年度の計数を「0」として寄与度の算出をした。②「はん用機械器具製造業」、「生産用機械器具製造業」及び「業務用機械器具製造業」は合算し「機械器具製造業」として寄与度を算出した。③平成20年以前の業種と接続が困難な「広告業」、「その他の学術研究、専門・技術サービス業」、「職業紹介・労働者派遣業」及び「その他のサービス業」は寄与度上位の順位から除いた。(出所)財務省年次別法人企業統計調査図表6 経常利益の推移(大中堅企業、中小企業)0246810121416(兆円、SA)大中堅企業中小企業(年)2825221916131074平成元昭和61(注)財務省四半期別 法人企業統計調査により作成されており、季節調整値(出所)内閣府「平成29年度 年次経済財政報告」http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je17/index_pdf.htmlファイナンス 2017.117平成28年度年次別法人企業統計調査結果と調査からみた企業動向特集

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