ファイナンス 2017年10月号 Vol.53 No.7
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個人投資家や海外投資家の保有促進に 取り組み、投資家層の幅を拡げる国債保有の多様化に向け、 個人投資家の国債保有促進策を実施現在、日本は多額の国債残高を抱えており、幅広い投資家層が国債を保有することにより、国債の安定消化を図ることが重要な課題となっています。国債保有者が、特定の投資家層に偏れば、市場の状況が変化した場合に、市場参加者の取引が一方向に流れがちな傾向にあるとの指摘もあります。そこで、長期安定的な国債保有が見込まれる保険会社・年金基金等、あるいは銀行等の金融機関と投資行動が異なる個人や海外投資家による国債保有の促進に取り組んでいます。個人投資家の保有促進策としては、平成15年3月に個人向け国債(変動10年)を導入して以来、平成18年1月の個人向け国債(固定5年)の導入や平成19年10月の新型窓口販売方式の導入などを実施してきました。その結果、家計の国債保有割合は4%台まで増加しました。その後、家計の国債保有割合は低下傾向にありますが、個人向け国債の適用利率が下限金利(0.05%)付近で推移する中、平成28年度の発行額は9年ぶりに4兆円を超えました。財務省としては、引き続き広報活動に務め、個人向け国債に関する国民の理解を進めて行きます。保有者層の多様化家計の国債保有12.314.621.727.933.135.435.133.630.326.622.920.015.812.412.52.1%2.2%2.9%3.6%4.3%4.4%4.4%4.0%3.4%2.9%2.3%2.0%1.5%1.1%1.2%0.0%1.0%2.0%3.0%4.0%5.0%051015202530354045平成14年度末平成15年度末平成16年度末平成17年度末平成18年度末平成19年度末平成20年度末平成21年度末平成22年度末平成23年度末平成24年度末平成25年度末平成26年度末平成27年度末平成28年度末家計における国債の保有残高(左軸)国債発行残高に占める家計の保有割合(右軸)(兆円)(出所)日本銀行6ファイナンス 2017.10

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