ファイナンス 2017年9月号 Vol.53 No.6
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たすことが困難〈主なEUワイン醸造基準〉・補糖量(2.5%~5%以下に制限)、補酸量(2.5g/L以下に制限)・ブドウ品種(ヴィニフェラ種及びそのハイブリッド種に限定)※ヴィニフェラ種とは、シャルドネ、メルロー等○EUワイン醸造規則に従っている旨の証明書の添付の義務⇒証明書取得の金銭的、時間的な負担・輸出するロットごとに証明書の添付義務・EU登録機関(独立行政法人酒類総合研究所)が業者から醸造に関する書類や分析用ワインを受け取り、証明書を発行※証明書発行手数料:1ロットにつき27,100円◆日本でワインに使用できる添加物が、EUでは承認されていない〈交渉結果〉◆EU仕様で製造しなくても、多くの国内向け「日本ワイン」をそのまま自己証明を付して輸出できるようになる○EUは、「日本ワイン」(国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒)の醸造方法を容認⇒EUワイン醸造規則によらず、「日本ワイン」であれば輸出可能※ 「日本ワイン」は、国税庁が「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」に基づく「果実酒等の製法品質表示基準(平成27年10月国税庁告示第18号)」により定義○業者の自己証明を導入⇒金銭的、時間的な負担を大幅に軽減※「日本ワイン」の名声保護や証明書の偽造防止等の観点から、酒類総研が、自己証明が適切に行われていることを確認する予定(実施方法の詳細については今後調整)◆主要なワイン添加物について、日EUそれぞれが申請手続きを開始⇒国内ワイン業者にとっても、EUで承認されたワイン添加物が使用できるようになると期待 (日本側25品、EU側28品。日本側は国税庁がEU企業に代わり厚労省に承認申請)②単式蒸留焼酎の容器容量規制の緩和・これまで、700mlや1,750ml等の決められた容量以外の容器は流通不可⇒協定発効後は、焼酎の四合瓶や一升瓶での輸出が可能《解説》〈現状〉◆蒸留酒の容器容量規制*16⇒EUへの輸出専用として、ビンの調達や瓶詰設備等の追加的な投資負担・700mlや1,750ml等の決められた容量以外では流通・販売ができない・日本で流通する焼酎は、主に四合瓶(720ml)や一升瓶(1,800ml)〈交渉結果〉◆単式蒸留焼酎の容器容量規制の緩和⇒単式蒸留焼酎(本格焼酎と泡盛)について、日本で流通する四合瓶や一升瓶の輸出が可能(2) その他(ルール分野)ルール分野において、財務省が主体的に関わった主なものは以下のとおりである。【税関・貿易円滑化】日本がこれまで締結したEPAにおいては、経*16)EUでは消費者向け製品の容量・サイズ規制が存在する。2007年の規制緩和によりほぼ全ての製品で廃止されたが、ワイン及び蒸留酒に残っている。30ファイナンス 2017.9SPOT

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